「移籍金収入は予算に入ってないの!?」欧州育成の名門に驚かれたJクラブの実情。“タレント輸出大国”はどうすれば移籍金ビジネスで潤えるのか【現地発】
カテゴリ:Jリーグ
2026年06月11日
経営陣、強化部、アカデミーという「黄金の一貫性」
選手の価値を高める方法の一つとして、まだトップチームで活躍するような力がなくても、将来、有望な選手にはカップ戦でもいいから出場時間を与えること。
「今回、訪問したクラブは戦略的に選手の出場時間をマネジメントし、意図的に選手の価値を高めてました」(黄川田氏)
もちろん、若い選手に闇雲にトップチームでの出場時間を与えればいいというわけではない。経営陣、トップチーム、アカデミーが三位一体となって若い選手の未来をデザインし、タレントたちが定期的にトップチームの練習に参加するなど、移行時期(トランジション)を設けながら、試合での経験を積まさないといけない。しかし、もし経営母体から送り込まれたクラブ社長がアカデミーの価値を知らず、「ともかく勝て。数字こそすべて」とトップチームに号令を出したら、このスキームは崩れてしまったりする。
「クラブの経営陣、トップチームを含めた強化部、アカデミー。これを『黄金の一貫性』と呼んでいます。はたして、クラブのフィロソフィーを元に一貫性をもってチームをマネジメントしたり、選手を育成したりできているのか。アカデミーからしたら選手育成を一生懸命やっているかもしれない。しかし経営者の理解がなく、『黄金の一貫性』が欠けてしまったら、育成は単なるコストセンターになってしまう。こういうことを防ぐためにも、サッカーと経営の言語をしっかり理解し喋れるスポーツダイレクターの存在は貴重です」(黄川田氏)
訪問先のクラブで黄川田氏は3つの質問をかならずしていた。
・アカデミーの選手がトップチームにトランジションするとき、最終判断を下すのは誰なのか?
・その決定を下すとき、どのような会議体があるのか?
・そこにはどんなメンバーがいるのか?
その答えはクラブによってまちまちだったが、一例を挙げるなら社長(経営陣)、テクニカルダイレクター、監督(トップチーム)、アカデミーダイレクター、コーディネーター(アカデミー)と、やはり『黄金の一貫性』を垣間見ることができた。
「今回の視察では選手の育成に関わるKPI(人事用語で“重要業績評価指標”と訳される)を定め、数値目標を立てながらやっているという話もありました。すごくいいヒントになると思いました。
「今回、訪問したクラブは戦略的に選手の出場時間をマネジメントし、意図的に選手の価値を高めてました」(黄川田氏)
もちろん、若い選手に闇雲にトップチームでの出場時間を与えればいいというわけではない。経営陣、トップチーム、アカデミーが三位一体となって若い選手の未来をデザインし、タレントたちが定期的にトップチームの練習に参加するなど、移行時期(トランジション)を設けながら、試合での経験を積まさないといけない。しかし、もし経営母体から送り込まれたクラブ社長がアカデミーの価値を知らず、「ともかく勝て。数字こそすべて」とトップチームに号令を出したら、このスキームは崩れてしまったりする。
「クラブの経営陣、トップチームを含めた強化部、アカデミー。これを『黄金の一貫性』と呼んでいます。はたして、クラブのフィロソフィーを元に一貫性をもってチームをマネジメントしたり、選手を育成したりできているのか。アカデミーからしたら選手育成を一生懸命やっているかもしれない。しかし経営者の理解がなく、『黄金の一貫性』が欠けてしまったら、育成は単なるコストセンターになってしまう。こういうことを防ぐためにも、サッカーと経営の言語をしっかり理解し喋れるスポーツダイレクターの存在は貴重です」(黄川田氏)
訪問先のクラブで黄川田氏は3つの質問をかならずしていた。
・アカデミーの選手がトップチームにトランジションするとき、最終判断を下すのは誰なのか?
・その決定を下すとき、どのような会議体があるのか?
・そこにはどんなメンバーがいるのか?
その答えはクラブによってまちまちだったが、一例を挙げるなら社長(経営陣)、テクニカルダイレクター、監督(トップチーム)、アカデミーダイレクター、コーディネーター(アカデミー)と、やはり『黄金の一貫性』を垣間見ることができた。
「今回の視察では選手の育成に関わるKPI(人事用語で“重要業績評価指標”と訳される)を定め、数値目標を立てながらやっているという話もありました。すごくいいヒントになると思いました。
JリーグでもIDP(個別育成プラン)をやっているクラブは多い。これは選手自身が短期から長期の目標を定め、それに対して自身の強み・弱みを分析したうえで、目標達成に必要なものを洗い出し、それを具体的に進めるためのアクションプランを立てて実行していくもの。これをもとに定期的に面談し、指導者の評価と選手の自己評価の乖離をなくし改善していく。しかし、これを全選手に対して包括的にやるのはリソースが大変なんです。
今回、あるクラブは“トップ・トップのタレント”にはアカデミーダイレクター自ら1か月に1回、面談をし、それ以外の選手には3か月に1回、スタッフが面接をすることで、リソースを使い分けてました。
IDPはクラブが一方的に与えるものではなく、選手自身が自分のキャリアに責任を持ち、自発的にコーチの部屋を訪ねる環境を作る。今回、私たちのミーティング中に、選手がドアをノックして『話があるんだけれど。あ、今、会議中なんですね。それでは後で』とメンターに面会を求めるシーンもありました。選手主体のIDPにクラブが寄り添って、さらに戦略を立てる――。訪問したすべてのクラブに、そこが見受けられました」(黄川田氏)
今回、あるクラブは“トップ・トップのタレント”にはアカデミーダイレクター自ら1か月に1回、面談をし、それ以外の選手には3か月に1回、スタッフが面接をすることで、リソースを使い分けてました。
IDPはクラブが一方的に与えるものではなく、選手自身が自分のキャリアに責任を持ち、自発的にコーチの部屋を訪ねる環境を作る。今回、私たちのミーティング中に、選手がドアをノックして『話があるんだけれど。あ、今、会議中なんですね。それでは後で』とメンターに面会を求めるシーンもありました。選手主体のIDPにクラブが寄り添って、さらに戦略を立てる――。訪問したすべてのクラブに、そこが見受けられました」(黄川田氏)





















定価:980円(税込)
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