• トップ
  • ニュース一覧
  • 「移籍金収入は予算に入ってないの!?」欧州育成の名門に驚かれたJクラブの実情。“タレント輸出大国”はどうすれば移籍金ビジネスで潤えるのか【現地発】

「移籍金収入は予算に入ってないの!?」欧州育成の名門に驚かれたJクラブの実情。“タレント輸出大国”はどうすれば移籍金ビジネスで潤えるのか【現地発】

カテゴリ:Jリーグ

中田徹

2026年06月11日

経営陣、強化部、アカデミーという「黄金の一貫性」

STVVの育成責任者である高野剛氏(中央)からも貴重な学びを得た。高野氏は2018年から3年間、Jリーグ育成部で黄川田氏と共に改革に尽力した。写真:中田徹

画像を見る

 選手の価値を高める方法の一つとして、まだトップチームで活躍するような力がなくても、将来、有望な選手にはカップ戦でもいいから出場時間を与えること。
 
「今回、訪問したクラブは戦略的に選手の出場時間をマネジメントし、意図的に選手の価値を高めてました」(黄川田氏)
 
 もちろん、若い選手に闇雲にトップチームでの出場時間を与えればいいというわけではない。経営陣、トップチーム、アカデミーが三位一体となって若い選手の未来をデザインし、タレントたちが定期的にトップチームの練習に参加するなど、移行時期(トランジション)を設けながら、試合での経験を積まさないといけない。しかし、もし経営母体から送り込まれたクラブ社長がアカデミーの価値を知らず、「ともかく勝て。数字こそすべて」とトップチームに号令を出したら、このスキームは崩れてしまったりする。

「クラブの経営陣、トップチームを含めた強化部、アカデミー。これを『黄金の一貫性』と呼んでいます。はたして、クラブのフィロソフィーを元に一貫性をもってチームをマネジメントしたり、選手を育成したりできているのか。アカデミーからしたら選手育成を一生懸命やっているかもしれない。しかし経営者の理解がなく、『黄金の一貫性』が欠けてしまったら、育成は単なるコストセンターになってしまう。こういうことを防ぐためにも、サッカーと経営の言語をしっかり理解し喋れるスポーツダイレクターの存在は貴重です」(黄川田氏)

 訪問先のクラブで黄川田氏は3つの質問をかならずしていた。

・アカデミーの選手がトップチームにトランジションするとき、最終判断を下すのは誰なのか?
・その決定を下すとき、どのような会議体があるのか?
・そこにはどんなメンバーがいるのか?

 その答えはクラブによってまちまちだったが、一例を挙げるなら社長(経営陣)、テクニカルダイレクター、監督(トップチーム)、アカデミーダイレクター、コーディネーター(アカデミー)と、やはり『黄金の一貫性』を垣間見ることができた。

「今回の視察では選手の育成に関わるKPI(人事用語で“重要業績評価指標”と訳される)を定め、数値目標を立てながらやっているという話もありました。すごくいいヒントになると思いました。
 
 JリーグでもIDP(個別育成プラン)をやっているクラブは多い。これは選手自身が短期から長期の目標を定め、それに対して自身の強み・弱みを分析したうえで、目標達成に必要なものを洗い出し、それを具体的に進めるためのアクションプランを立てて実行していくもの。これをもとに定期的に面談し、指導者の評価と選手の自己評価の乖離をなくし改善していく。しかし、これを全選手に対して包括的にやるのはリソースが大変なんです。

 今回、あるクラブは“トップ・トップのタレント”にはアカデミーダイレクター自ら1か月に1回、面談をし、それ以外の選手には3か月に1回、スタッフが面接をすることで、リソースを使い分けてました。

 IDPはクラブが一方的に与えるものではなく、選手自身が自分のキャリアに責任を持ち、自発的にコーチの部屋を訪ねる環境を作る。今回、私たちのミーティング中に、選手がドアをノックして『話があるんだけれど。あ、今、会議中なんですね。それでは後で』とメンターに面会を求めるシーンもありました。選手主体のIDPにクラブが寄り添って、さらに戦略を立てる――。訪問したすべてのクラブに、そこが見受けられました」(黄川田氏)
【関連記事】
【画像】絶世の美女がずらり! メッシ、ヤマル、ベリンガム、ハーランドら超大物に寄り添う“美しすぎる妻&恋人たち”を厳選紹介!
「日本人は美しい」日本資本参入から8年、ベルギー3位に到達したSTVVの地元ファンが明かす“リアルな想い” 「右肩上がりに成長」「なぜ伊藤が代表じゃない?」【現地発】
「僕はもうベルギーリーグは卒業です」今季11点目、古巣への決別宣言、明確な来季の青写真....STVV後藤啓介の言葉を聞こうと地元メディアが殺到した【現地発】
「日本じゃ味わえない空気感がある」ベルギー3位、充実の一年を終えた“日本人主将”が気になる去就に言及 「難しい決断…メイビー・ラスト・シーズンです」【現地発】
「世界中で欲しがらないクラブはない」なぜ上田綺世はオランダ得点王に到達できたのか…恩師ファン・ペルシが明かす“覚醒の真実”と“助言の詳細”【現地発】

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 2026年9月号
    8月7日(金)発売
    [特集]
    2026/27シーズン開幕ガイド
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 2026年8月20日号
    8月6日(木)発売
    [特集]
    戦いの舞台は各国リーグへ
    世界を沸かせた名手の2026-27シーズンを展望
    北中米W杯スター50人「新章、開幕」
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 第104回大会 決戦速報号
    1月16日発売
    高校サッカーダイジェストvol.44
    ワールドサッカーダイジェスト2026年2月19日号増刊
    第104回全国高校サッカー選手権大会 決戦速報号

    [MATCH REPORT]
    1回戦から決勝まで全47試合を完全詳報

    [HEROES FILE]
    第104回大会を彩った”48名の逸材”を厳選
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ