「ずっと思っていただけること、感謝しかありません」故・松田直樹の逝去から10年。実姉が思い綴る

2021年08月04日 サッカーダイジェストWeb編集部

Jリーグも新たな取り組みを発表

34歳という若さで命を落とした松田。いまなお多くの人々の心に刻まれるプレーヤーだ。(C)SOCCER DIGEST

 2011年8月4日、故・松田直樹さんが急性心筋梗塞で逝去した日から、2021年8月4日で10年になる

 この節目に、Jリーグは「安心安全にスポーツできる環境を整える」ことを目的とし、「#命をつなぐアクション」の取り組みを改めて進めていくことを発表した。

 明治安田生命とJリーグの各クラブが連携し、AED(自動体外式除細動器)の設置などで、スポーツでの突然死を防ぐための取り組みを具体化していくというものだ。Jリーグのクラブはこの呼びかけに呼応し、各クラブもAEDを設置し、選手たちが講習を受けていることを表明している。

 元日本代表DFの松田直樹は、2011年8月2日に、当時所属していた松本山雅の練習中に急性心筋梗塞で倒れた。病院に運び込まれたが、2日後に34歳でこの世を去った。この際、AEDがなく、搬送に時間がかかったという不運が、才能に恵まれた国内屈指のディフェンダーの命を奪った。​​​
 
 この件以降、国内外のスポーツの現場にAEDの設置が進んだ。その有用性は疑いようがない。欧州でも、先日行われていたEURO2020では、デンマーク代表クリスティアン・エリクセンが試合中に昏倒。この際、救急隊員が心臓マッサージとAEDなどを活用して応急処置を行なった結果、彼は一命をとりとめた。

 故人の実姉であり、一般社団法人松田直樹メモリアルNextGenerationの理事を務める松田真紀理事は、4日、Twitterにこのように綴った。

「松田直樹をずっと思っていただけることは、感謝しかありません。ファン・サポーターの皆さんにも10年という思い、悲しみはそれぞれだと思いますが、この先を見たときに、この活動で子どもたちが安心安全な環境でサッカーを楽しんでいけるように、そんなところを伝えていって、悲しみよりもそういう思いで進んでいければと思っています」

 もう二度と、あのような悲劇を繰り返さないように願うばかりだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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