「今までは縁がなさ過ぎて…」“ラッキーガール”塩越柚歩が掴んだ東京五輪への切符。「何か起こるかもと期待されるように」

2021年06月18日 サッカーダイジェストWeb編集部

「経験のある選手から学んで、成長していきたい」

会見中には感極まるシーンもあった塩越。五輪本番でもゴールを奪えるか。写真提供:三菱重工浦和レッズレディース

 6月の代表活動で、まさにシンデレラガールと呼ぶべき活躍で東京五輪代表に昇りつめたMF塩越柚歩がその喜びを語った。

 JFAは6月18日、東京五輪の登録メンバー18人を発表。そのうち、4人の代表戦士を輩出した三菱重工浦和レッズレディースは同日、オンライン上で会見を実施した。

 川越市出身で、アカデミー時代から浦和でプレーする23歳の塩越は、「発表を待つまではドキドキだった。こうやってメンバーに選んで頂いてまだ実感は湧かないですが」として、その喜びをこう語った。

「東京オリンピックのメンバーに選出して頂きました。自分自身ここまで来れると思っていなかったので、今まだ自分でもビックリしていて実感も湧かないですが、親もすごく喜んでいて、周りの方々からもメッセージがきていて、段々と実感が湧いてきているところです。素直に嬉しい気持ちと、日本を背負って戦う責任と覚悟を持って頑張りたいなという気持ちです」

 塩越は、2016年に浦和レッズレディースユースからトップチームに昇格すると、その年に開催されたU-20女子ワールドカップに臨む日本代表に選出され、1試合に出場した。

 その時の経験を振り返り、「U-20のワールドカップには呼んでもらったが試合にほとんど出れなかった。世界の強豪国を身をもって感じられていません」と今回選ばれた東京五輪が初の本格的な国際舞台になるという。
 
 そんなオリンピックへのイメージは、「今までは縁がなさ過ぎて…去年やっていたら自分はここまで来れなかった」とし、「楽しみな部分が大きいが、足りていない部分も多いと思っている。経験のある選手から学んで、成長していきたい」と意気込んだ。

 ここまでの道程も決して順調だったわけではない。トップ昇格した16年はリーグ戦、カップ戦ともに全試合に出場したものの、18、19年と出場機会が減少。抱えていた左膝のケガの手術も行ない、19年のリーグ戦は大半をリハビリに費やした。

 しかし、昨季浦和で定位置を奪い、リーグ優勝に貢献。ベストイレブンにも輝くと、3月のトレーニングキャンプでA代表初招集を受け、4月のテストマッチ2試合で再招集される。

「他の代表選手とは経験も違うし、自信もそこまでなかった。前回(4月)の代表活動では試合にも出れなかったし、今回で最後になるかもしれない」という不安もあったという。

 それでも、5月のトレーニング合宿など続けて代表招集を受けることで大きな自信にもなっていたという。そして6月には、ウクライナ戦で代表デビューし、2得点の大活躍。

「五輪が1年延期したことで、メンバーに選んでもらえた。"ラッキーガール"は自分では良い言葉、嬉しい言葉だと思っている。ウクライナ戦で初出場で2ゴール。この選手"持っているな"と思われるような、この選手が出場したら何か起こるかもと期待されるような選手になりたい」と意気込みを語った。

 五輪本番は中2日で次々と試合が行なわれ、決勝まで進むと6試合を戦うことになる短期決戦。塩越は、自信の芽生えた得点力でチームを勝利に導き、メダル獲得でシンデレラストーリーを彩れるか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【PHOTO】代表デビューで2ゴール1アシスト!オリンピック代表入りへ猛アピールを見せた塩越柚歩!

【なでしこジャパンPHOTO】東京オリンピックに挑む、選ばれし18選手を紹介!
 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事