「今日は和製ジーコということで」鹿島の土居聖真、“28年前の再現”圧巻ハットに喜びもひとしお

2021年05月15日 サッカーダイジェストWeb編集部

「今日は聖真が点取るよ」(ジーコ)

持てる得点能力をいかんなく発揮した土居。ハットトリックの活躍で5-3の勝利に大きく貢献した。写真:田中研治

 目に見える数字という意味では、鹿島アントラーズの土居聖真のそれは物足りなかった。

 5月15日の"Jリーグの日"に行なわれたホームでの14節・横浜F・マリノス戦を迎えるまで、土居の得点数は1。攻撃陣の主要メンバーのひとりとして、忸怩たる想いがあったかもしれない。

 とはいえ、味方への気の利いたサポート、身体を張ったキープ、相手のパスコースを限定する的確なポジショニングなど、数字に表わせない部分での貢献度はすこぶる高かった。

 なかでも印象的だったのが、前々節のFC東京戦で松村優太がJ1初ゴールを決める前の"ちょん"だ。敵陣左サイドでキープした土居は、背後から相手に激しく詰め寄られる。バランスを崩して倒れ込みながらも、近くにいた白崎凌兵に右足で"ちょん"と出す。そして白崎→永戸勝也とつないで、永戸からのパスを受けた松村が右足でねじ込んだ。

 球際で粘り強く耐えながらも味方へとつなぐプレーは、この場面だけではない。そうした数々の献身さが報われたのか、はたまた持てる得点能力がようやく発揮されたのか、5-3で完勝した横浜戦で、土居はハットトリックを達成した。

 40分、CKの流れからゴール前の混戦で右足を振り抜き、まずは1点目を叩き込む。後半立ち上がりの46分、白崎のスルーパスに抜け出し、GKとの1対1を冷静に制して2点目。53分、松村が奪取したPKを落ち着いて決めて3点目。
 
 Jリーグが開幕した28年前、現在は鹿島のテクニカルディレクターを務めるジーコが、本拠地での名古屋グランパスエイト(当時)との開幕戦でハットトリックを達成している。そのジーコから横浜戦当日、「今日は聖真が点取るよ」と言われていたという。

 28年前の歴史をなぞるような活躍ぶり。「28年前にここでそういう歴史を作ってくれたのは本当にありがたいことです」と感謝を述べた土居は、「今日は和製ジーコということで喜びたい」と笑顔を見せた。

構成●サッカーダイジェストweb編集部

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