中村憲剛がJFAグロース・ストラテジストに就任。現行の登録制度に感じる課題と危機感とは?

2021年04月15日 サッカーダイジェストWeb編集部

「環境自体は僕の時と比べて段違い」

先日はU-17日本代表のロールモデルコーチにも就任していた中村氏は、登録制度改革にも助言する。※写真は会見中のスクリーンショット

 日本サッカー協会(JFA)は4月15日、オンライン上でメディアブリーフィングを開き、登録制度改革本部の「JFA Growth Strategist(JFAグロース・ストラテジスト)」に、同日付で中村憲剛氏が就任することを発表した。

 現在の登録制度は、JFA主催の競技会に参加する現役選手や指導者、審判、一部の運営役員が年度ごとに登録するもので、それらの人々から登録料を徴収し、これまでの日本のサッカーのあらゆる活動を支える基盤となっていた。

 今年100周年を迎えるJFAは、「変えるべきところは変える」という理念のもと、この登録制度改革にも着手する。

 JFAの須原清貴専務理事によると、「現在の登録制度自体は大きく変えず維持しながらも、今までの登録制度とは違うものを追加していきたいと思っている」とそのイメージを明かした。

 想定されるのは選手、審判員、指導者のみならず、サッカーに関わる人々「全ての人にとって有益となるコミュニティを作る」ことだという。
 
 同日に最初のミーティングを終えた中村憲剛氏は、実体験に基づいた意見を展開した。

「僕自身が小学校1年生からサッカーを始めて、その時に登録していたのですが、引退するまで同じ登録番号だった。登録番号があるということも、協会に登録していると知ったのも、僕が初めて認識したのは高校生の時でした。協会に登録しているんだという理解、関わっているんだという認識をどれだけ強められるか」を登録制度の課題として挙げた。

 さらに、自身もサッカーをやっているふたりの子どもを持つ父親として感じているのは、「情報も溢れてきていて、子どもたちも指導者も親御さんも、情報は手に入る時代になってきていて、環境自体は僕の時と比べて段違い。その分、サッカーが上手い子や強い子たちしか残れない時代になっている」と危機感も明かす。

 そのほかにも多くの変革が望まれる登録制度。

 川崎フロンターレでは地域密着を体現し、多くの実体験を積んできた中村氏は、「力になれることがあればと思い切って参加させて頂く事になりました。思った通りの大役だが、何かしら力になれる確信もある。『やらないよりやってみる、言わないより言ってみる』の精神で、日本サッカーを盛り上げるために頑張っていきたい」と意欲を燃やした。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 
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