「奇跡的に入団した日本人を…」香川真司に高まる期待にギリシャ・メディアが“警鐘”!「歴史的な過ちを繰り返してはならない」

2021年02月09日 サッカーダイジェストWeb編集部

実力派スターがゆえの危険性

新天地でデビューを飾り、期待も高まっている香川に、ギリシャ・メディアが独自の警鐘を鳴らした。 (C) REUTERS/AFLO

 キャリア5か国目となる新天地でスタートを切った香川真司への評価が高まっている。

 現地時間2月7日に行なわれたギリシャ・スーパーリーグ第21節で、4位のPAOKは、9位のアポロン・スミルニと2-2で引き分けた。

 首位オリンピアコスとは勝点14差を付けられていたPAOKは来シーズンのチャンピオンズ・リーグ出場圏内の2位に入るために取りこぼしは許されない状況だったが、中位のアポロンを相手に苦戦。常に先行される展開のなかで、88分に追いついてなんとか勝点1を得た。

 後手に回るシーンも少なくなかったこの日のPAOKにとって光明となったのは、香川のパフォーマンスだろう。

 62分にクリストス・ツォリスとの交代でピッチに登場した元日本代表MFは、ファーストタッチで軽快なフットワークを見せつけるなど、アグレッシブなプレーを披露。その後も攻撃をコントロールし、巧みなパスで決定機を創出するなど、存在感を放った。

 約30分間でポテンシャルの高さを発揮した香川には、地元メディアも絶賛している。ギリシャ紙『SPORtime』は、「カガワは試合に入ってすぐに自分が"エリート"であることを示した」と褒めちぎった。

「今日のカガワはすべての連係プレーが完璧で、ボールコントロールも非の打ち所がなかった。思考スピードも速く、パスの精度も際立っていた。まだ完全にコンディションが戻り切った感じはなかったが、彼はプレーする時間がなくても目立ち、違いを生み、やりたいことを何でもやっていた。自分が何者であるかを証明するには数分で十分だった」

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 一方で同紙は香川に対する"懸念材料"も指摘している。それは実力派スターがゆえの危険性である。

「PAOKにとって最悪な事態は避けなければいけない。それはかつてのディミタール・ベルバトフのように、すぐにスーパースターのレジェンドを壊してしまうことだ。PAOKは、奇跡的にギリシャでのプレーを選択したこの日本人を短期間で失うという、歴史的な過ちを繰り返してはならない」

 PAOKには、2015年9月にマンチェスター・ユナイテッドでも活躍したディミタール・ベルバトフを獲得した過去がある。当時34歳とキャリアの晩年を迎えながら、世界的知名度を誇ったブルガリア代表FWの入団は大フィーバーを起こしたものの、過度な期待とチームの水に馴染めなかったことが原因で、わずか1年で退団していた。

 そうした経験を踏まえての警鐘だが、昨夏にサラゴサを退団して以来、約5か月も実戦から離れていた香川だけに、「過度な重圧を与えないようにすべきだ(SPORtime)」という周囲の理解はポジティブに作用しそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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