20年経っても色褪せない! ローマ公式が中田英寿氏のユーベ戦での“伝説弾”を回想「セリエAで最も記憶に残る」

2021年01月24日 サッカーダイジェストWeb編集部

ローマに偉大なスクデットをもたらしたカリスマ

セリエAでの偉大なキャリアを築いた中田英寿氏のプレーをローマが振り返った。 (C) Getty Images

 日本サッカー界のカリスマがカルチョの大舞台で放った一撃は、およそ20年の時が経った今も忘れられていないようだ。

 現地時間1月22日、ローマはクラブの公式ツイッターで、元日本代表MFで、OBでもある中田英寿氏の44度目の誕生を祝す特集を掲載。「歴史を作ったナカタ」とその偉大なキャリアを称えた。

 1995年にベルマーレ平塚(現・湘南ベルマーレ)でプロデビューを飾った中田氏は、98年にセリエAの古豪ペルージャに加入すると、1年目から33試合で10ゴールと活躍。2000年1月に名門ローマへステップアップすると、入団2年目の2000-01シーズンには、日本人として初めてスクデット獲得を経験した。

 中田氏が在籍した約2年間での功績について「数多くの忘れられない瞬間を作ってくれた勝者だ」と称えたローマは、「ナカタの最も重大な瞬間TOP5」を厳選。その中で「すべてのロマニスタ(熱狂的なローマ・ファン)が記憶しているもの」として、2001年5月6日に行なわれたセリエA第29節のユベントス戦のゴラッソを紹介した。

 日本のサッカー史にも残る、まさに伝説の一戦だ。

【動画】ロマニスタの「伝説の一戦」! 中田英寿のユーベ相手のゴラッソはこちら
 当時、セリエAで首位を快走していたローマにとって、勝点6差の2位ユベントスとの直接対決は、スクデットの行方を左右する天王山だった。この世界が注目したビッグゲームで大仕事をやってのけたのが、中田氏だ。

 アレッサンドロ・デル・ピエロとジネディーヌ・ジダンのゴールでユーベに2点を先行された60分、ローマの大黒柱フランチェスコ・トッティとの交代でピッチに立った背番号8は、79分に中盤でボールを奪うと右足一閃。強烈なミドルシュートで反撃の狼煙となるゴラッソを決める。

 24歳だったサムライ戦士の勢いは止まらない。アディショナルタイムにも、再びペナルティエリア外からミドルシュートを放つ。これはユーベの守護神エドウィン・ファン・デル・サールに弾かれたが、こぼれ球をヴィンチェンツォ・モンテッラが押し込んで同点弾を呼び込んだ。

 絶対的なアイドルだったトッティとの交代で、敗色濃厚だったチームを救った中田氏の活躍ぶりをローマは、こう紹介している。

「ナカタがただ凄かった単なる試合ではない。これは全てのローマ・ファンにとっては、セリエAの中で最も記憶に残る試合の一つだ。2点のビハインドを負った状況下で、日本サッカー界のアイドルは、驚きの同点劇へのプランを立てていた。

 30ヤードもある位置からの雷のようなミドルシュートを決めただけでは止まらず、ローマ・ファンが陶酔したモンテッラの同点弾をもお膳立てし、優勝争いをしていたチームへのプレッシャーを和らげた。本人は試合後も控えめだったが、ナカタがクラブにとって最高の栄誉をもたらしたと言っても過言ではない」

 ローマに在籍した期間は決して長くはない。だが、中田氏が魅せた出色のパフォーマンスは色褪せてはいない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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