【福岡】5年ぶりのJ1に向け、いよいよ始動。初日の練習で“笑顔が増えた”理由とは?

2021年01月13日 中倉一志

「雰囲気自体はすごく良かったと思う」(前)

5年ぶりのJ1に向け、チームはいよいよ始動。長谷部監督(中央)は「新加入の選手たちもリラックスして、良い状態で迎えられた」と話す。写真:中倉一志

「晴れ晴れとした気持ちでこの日を迎えた」(長谷部茂利監督)

 アビスパ福岡は1月13日、福岡市東区の雁の巣球技場で、今シーズン最初のトレーニングを行なった。

 初日のトレーニングで顔を合わせたのは、外国籍選手を除く19人。約45分にわたるミーティングで今シーズンの目標、そしてやるべきことを確認した後にピッチへと向かう。引き締まった表情から伝わるのは、5年ぶりにJ1を戦えるという身の引き締まる思い。そして、新しいチャレンジが始まるという心地良い緊張感が雁の巣球技場を包む。

「去年から残った選手と、新しく入った選手が集まって、このメンバーで戦っていくというところで楽しみなスタートになった」(前寛之)。その言葉通り、全員が良い表情を見せる。

 それぞれで身体を温めた後、チームを代表して前が報道陣に挨拶。そして長谷部監督の指示の下、2021年シーズン初日のトレーニングが始まった。まずはジョギングから。言葉を交わしながらゆっくりとしたリズムでグラウンドの周りを走る。新加入の選手たちに硬い表情は見られない。昨年同様に、すでに何度も練習を同じにしていたような雰囲気が溢れる。そして念入りに身体をほぐした後、グループに分かれてのボール回しが始まる。

 ほどなく、ピッチのあちこちから大きな声が聞こえ始める。オフ明け初日のトレーニングとあって負荷は大きくないが、そこはサッカー選手。ボールに触り、ボールを追いかけることで気持ちが上がっていくのが分かる。

 仲間に呼びかけ、パスを送り、パスを受ける。あちこちで笑顔が見られるようになっていく。そして最後のメニューは長めのジョギング。約1時間半にわたって汗を流してピッチを後にした。
 
 そんな初日の様子を「非常に良かったと思う。新加入の選手たちもリラックスして、良い状態で迎えられた」と話すのは長谷部監督。前も「雰囲気自体はすごく良かったと思う。新加入の選手を交えて、どういう特徴を持った選手なのかと、和気あいあいと話しながらやれた。サッカー選手はボールがあってこそ、より深く相手を知ることができるもの。ボールを触ってから笑顔が増えたのは、そういった理由から」と口にする。

 今シーズンのアビスパの目標は、リーグ戦10位、勝点50、そしてルヴァンカップはベスト4以上というもの。それは決して簡単な数字ではない。しかし、アビスパが福岡の町の誇りとなるクラブになるためには譲れない数字だ。

 昨シーズンに果たしたJ1昇格はアビスパが掲げる「大改革」のはじめの一歩。次なる一歩を踏み出すために、アビスパの新しいチャレンジが始まった。

取材・文●中倉一志(フリーライター)

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