【ACL4節】浦和 1-1 北京国安|スタメン6人変更も奏功せず、GS突破が遠のくドロー

2015年04月08日 塚越 始(サッカーダイジェスト)

4日前の松本戦から先発6人を入れ替え、阿部が今季初のベンチスタートに。

【浦和 1-1 北京国安】序盤は攻守のバランスが悪く、先制点を許す苦しい展開となった。後半に関根、高木、阿部を投入して攻勢を強め1点を返したが、決勝点は奪えなかった。

 3連敗で後のない浦和は4月8日、ACL4節・北京国安戦に臨んだが、1-1で引き分けた。今大会初の勝点を得たものの、0勝1分3敗で最下位のまま。グループステージ(GS)突破のためには、残り2試合に勝つことが最低条件となるが、非常に厳しい状況だ。
 
 浦和は4日前に行なわれたJ1第1ステージ4節の松本戦から、李、石原、武藤、平川、青木、橋本とスタメン6人を入れ替え、今季の公式戦で初めて阿部が控えに回った。
 
 一方、グループステージ3連勝中で首位(しかも全試合無失点)の北京国安は、モンテネグロ代表FWダムヤノビッチ、アルゼンチン人MFバタージャ、韓国代表MFハ・デソンと主力をベンチに温存。一方、2節では出場停止だったスウェーデン代表FWフェイズラフが先発した。
 
 序盤から両チームともに球際に強く当たりに行く熱い1対1の争いが繰り広げられる。一方でパスミスも目立ってボールが落ち着かず、一進一退の攻防が続いた。
 
 浦和は守備に軸足を置きつつ、前線の李や石原にボールを預けてチャンスを作ろうとする。しかし普段よりも重心が後ろにかかっているため、なかなか厚みのある攻撃を展開できない。その状況を打開しようと、次第にCBの槙野や森脇が攻撃に加わっていくが、逆に守備のバランスが取れなくなってしまう。

 するとフェイズラフに裏のスペースを突かれ、GK西川との1対1の場面を二度作られると、その後もチーム全体のバランスの悪さは解消されず、33分、CKからユー・ダーバオに押し込まれ、北京国安に先制点を献上してしまう。
 
 後半、浦和は攻撃的MFの関根を投入し、逆襲に転じる。関根が高いポジションに張り出し、何度かクロスを放ってチャンスメイク。59分、李からパスを受けた武藤がゴール正面から決定的なシュートを放つなど、次第に押し込む時間帯が増えていった。
 
 72分には阿部を左ストッパーに投入。槙野がサイドの高い位置に張り出し、攻勢を強めていく。すると75分、CKから槙野が高い打点からのヘディングシュートを叩き込み、浦和がついに1-1の同点に追い付いた。
 
 その後も浦和は攻め続け、88分には李に手を出した北京国安のDFラオ・ジョンが一発退場になり、ホームチームが数的優位に立つ。しかしラストプレーとなった李のヘディングシュートは無情にも枠を大きく逸れて、試合終了に。ゴールをこじ開けることができず、1-1のまま引き分けた。

 同グループの別カードは、水原三星が3-1でブリスベンに勝利。浦和がグループステージを突破するには、残り2試合の連勝が絶対条件。しかし、現在2位の水原三星があと勝点1を上積みした時点で、グループステージ敗退が決まるという厳しい状況だ。

 首の皮一枚でつながったものの、崖っぷちに追い込まれた浦和。とにかく次節のホーム・水原三星戦に勝利し、最終節に望みをつなぐしかない。

 ペトロヴィッチ監督は「非常に残念な結果。試合への入りが良くなかった。後半はハイテンポで、誰が守備の選手で、誰が攻撃の選手なのか分からないぐらい、全員でパスをつなぐ浦和らしい全員攻撃を見せられたが……。チャンスは作れるが、先週の松本戦(1-0で辛勝)に続いてシュートを決め切れなかった。1-1で終わってしまい、力を出し切ってくれた選手、平日の夜にもかかわらずこれだけの雰囲気を作り出してくれたサポーターに申し訳なく思っている」と振り返った。

 また、槙野は「結果がすべてだと思うが、後半は監督の目指す、規律、球際の強さ、運動量、ボールがないところでの動きの質など、アジアでもトップクラスであることを見せられたのではないかと思う。しかし勝点1で終わったのは、なにかが足りなかったから。それでも可能性がある限り、あと2試合全力を尽くす。ロッカールームでも誰も下を向いていなかった」と、逆転での決勝トーナメント進出へ意気込みを示した。シャドーで出場した武藤は「まだノーゴールだが、チャンスは来ている。やり続けることが大事なので、積極的にシュートを打っていきたい」と語った。

取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)
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