「今のアーセナルには…」解任論も渦巻くアルテタを“師匠”のペップはどう見る?「彼には何よりも愛がある」

2020年12月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

降格圏まで5ポイントと低迷中も…

かつてアルテタ(右)をアシスタントコーチに据えていたグアルディオラ(左)が、苦境に立たされる“愛弟子”の現状を語った。 (C) Getty Images

 アーセナルを率いるスペイン人監督ミケル・アルテタへの風当たりが強まっている。

 現地時間12月13日に行なわれたプレミアリーグ第12節で、本拠地エミレーツにバーンリーを迎えたアーセナルは0-1で敗れた。圧倒的に主導権を握りながらも決定機を活かせずに、73分にピエール=エメリク・オーバメヤンが献上したオウンゴールで逃げ切られてしまった。

 59分に相手選手に激昂したグラニト・ジャカがのど輪をくらわせて一発退場となるハプニングがあったにせよ、1959年以来となる屈辱のホーム4連敗だ。プレミアリーグでの順位も降格圏まで5ポイント差の15位と大きく落ち込んでいる。

 それだけに一部メディアでは、昨年12月に就任したばかりのアルテタの解任論が早くも噴出している。英紙『Mirror』は、チームの面前で選手を非難するスペイン人指揮官の振る舞いに一部の主力選手が不満を抱いており、その求心力が激しく低下していると報じた。

 だが、今年8月にFAカップを制したことが証明するように、クラブOBでもあるアルテタがウナイ・エメリ前政権下で失われた一体感と自信を取り戻したのは確かだ。それだけに改革の時間を与えるべきだという声は小さくない。

「アルテタには正しい場所へ導くだけの能力がある」と訴えたのは、昨年〇月までアルテタをアシスタントコーチとして自身の側近にしていたマンチェスター・シティの指揮官ジョゼップ・グアルディオラだ。

 当代屈指の智将は、解任論も飛び交うようになっているアルテタについて、現地時間12月15日に開かれた記者会見で、「今のアーセナルに彼以上に監督にふさわしい人材はいないよ」と語った。
 
「クラブがあまり良くない時期に就任すれば、時には時間が必要になるものだ。もしも、私がアーセナルの取締役会の一員ならアルテタの資質に疑いを持っていない。クラブをふさわしい場所へと導くだけの能力があると考える。

 今年、あるいは来年中に、彼以上にアーセナルを正しい位置に導ける監督はいない。彼はこれまで私がともに働いてきたなかでも、最高クラスの指導者だ。彼にはパーソナリティや責任感、そして何よりクラブ愛がある。愛がなければ、まだあのクラブにいることはないだろう」

 さらにグアルディオラは、「公の場で、彼に私のサポートを与える必要はない」としたうえで、次のようにも言い放っている。

「彼ならば、今の事態を好転させられる。誰もが期待するように、私もそれが可能であると確信している」

 かつてアシスタントコーチとして師事したグアルディオラからの言葉に、アルテタもよりいっそうのやる気を漲らせることだろう。現地時間12月16日に開催される本拠地でのサウサンプトン戦での振る舞いに注目したい。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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