「結果だけ見ていろいろ言う人はいるが…」反町技術委員長が欧州遠征4試合を総括!「力強い選手が出てきた」と評したのは?

2020年11月24日 サッカーダイジェストWeb編集部

「今そういうことを言っているのは不可能に近い」

2020年の活動を2勝1分1敗で終えた日本代表。写真:龍フェルケル

 JFA(日本サッカー協会)は11月24日、オンラインでのメディアブリーフィングを実施。反町康治技術委員長が出席し、海外遠征の総括などを行なった。

 2020年の日本代表は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、カタール・ワールドカップ(W杯)のアジア2次予選も延期になるなど、活動が大幅に制限された。そんななか、オランダのユトレヒト(10月)とオーストリアのグラーツ(11月)で実施したテストマッチ4試合について、反町技術委員長は、前半はいい形で攻撃のリズムを生み出しながらも、後半一気に崩れて黒星を喫したメキシコ戦に触れ、反省点を挙げた。

「メキシコ戦の前半に関して言えば、45分単位で考えた場合に、4試合のなかで1番だと思った。活動の最後の90分の前半としては非常に良かった。でもそれで終わらないのがサッカーの世界。サッカーというのは、リズムのいいときと悪いときがある。リズムにいいときに点を取れるのが強いチームであって、リズムの悪い時に失点をしないのもやっぱり強いチーム。まだそこがまだまだ足りないっていうのを教えてもらった」

 ただそれでも、「次に繋がる礎ができた」と、結果だけでなく目に見えない部分にもフォーカスを当て、一定の手応えも示している。

「強化試合は90分×2、要するに3時間で、前回のオランダ遠征もそうだが、映像上に出るのは試合だけ。そうでなくてトレーニングから、人間関係やパーソナリティも含めて、集合体として集まるのが非常に大事だということは活動する度に強く思っている。

 サッカーはもちろん結果至上主義なので、結果だけ見ていろいろ言う人はいる。そうじゃないところで、例えば選手の評価をするときには、練習を見てこういうことが出来る、こういうことが出来ないということを短い時間のなかで整理して、個人の課題にしたり、全体の問題として共有したりすることができる。

 そういう時間が海外で集中してやれることによって、(成果が)すごく生まれてくる。試合も大事だが、それ以上に次の活動に向け大きな礎になる部分はグラーツでやった活動でも強く感じた。来年のオリンピックと、W杯予選のための礎はしっかりと作れた」
 
 そして、ブンデスリーガで「デュエル勝利数」が1位となるなど、1対1での強さを見せている遠藤航の名前も出し、フィジカル面での改善部分について具体的に言及した。

「今まで日本のサッカーは、どちらかというとフィジカル的なぶつかりあいは避けてきたが、今そういうことを言っているのは不可能に近い。デュエルという言葉に代表されるように、ぶつかりあいや競り合いの部分をしっかり向き合って、日本サッカーも進歩していかないといけない。

 そうした意味では航みたいに1対1のところでも力強い選手が出てきている。そういう部分がチームの力強さに繋がるので、フィジカル的なところを育成年代からもう少しこだわりを持ってしっかりやっていきたいと考えている。明日からすぐ強くなるっていうふうにはいかないので、プロジェクトを立ち上げて、リーダーをしっかり構えて少しずつでもいいので整えてやっていく」

 2020年、欧州遠征のなかで様々な課題が見つかり、そして「礎」を築いた森保ジャパン。W杯予選が再開される2021年ではきっちりと上積みを図り、今回の貴重な経験を生かしたいところだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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