【J1採点&寸評】広島×浦和|全勝対決は互いに譲らずスコアレスドロー

2015年03月22日 小田智史(サッカーダイジェスト)

堅い試合展開のなかチームに新たな風を吹かせた茶島をMOMに。

【警告】広島=青山(75分)、千葉(90分)/浦和=李(35分)
【退場】なし
【MAN OF THE MATCH】茶島雄介(広島)

【試合内容】
 広島は前半、攻守の切り替えと精度の高いパスを駆使して浦和を押し込む。11分には柏の突破から森﨑浩、37分には塩谷のパスから茶島がダイレクトボレーを放つも枠を捉え切れず、0-0のままゲームを折り返す。後半は高い位置からプレスをかけて、状況の打開を狙う浦和に対し、攻守の切り替え時にパスミスを連発。守勢に回る時間が長く、互いのGKが好セーブを見せたこともあり、スコアレスドローで勝点1を分け合った。

【J1採点&寸評】1stステージ・3節|全9カードを現地取材記者が評価

【J1 PHOTOハイライト】1stステージ・3節

【チーム採点・寸評】
広島 
浦和の攻撃陣を無失点で抑えた点は評価。ただゲームを支配していた前半から一転、後半は攻守の切り替えの際にミスが多く、守勢に回った影響で反撃する力も消耗してしまった。
 
浦和 5.5
監督が「良い意味でサプライズ」と話すように、終盤も運動量を落とさず相手を押し込んだが、ビッグチャンスはなし。試合後、一部のサポーターから「勝つ気があるのか」と厳しい声が飛んだ。
 
【広島|採点・寸評】
GK
1 林 卓人 
セービング、状況判断とも安定。味方がシュートブロックしたこぼれ球がゴールを襲った場面も冷静にボールを弾き出し、試合の主催者が選ぶマン・オブ・ザ・マッチに選ばれた。
 
DF
4 水本裕貴 
浦和の左サイド(橋本、槙野)が自重気味で、相手と対峙する機会はそこまで多くなかった。それでも優れた読みで最終ラインに安定感を生み、連続フル出場を118試合に伸ばす。
 
5 千葉和彦 
自陣内で李にパスカットされて決定的なピンチを招くも、自らの守備でなんとか防ぐ。それ以外は巧みな身体の入れ替えやカバーリングで冷静に対処し、無失点に貢献した。
 
33 塩谷 司 
フィジカルを活かし、対峙する興梠を封じる役割に加え、果敢なオーバーラップも披露。特に前半は、前線の佐藤や茶島に何本も低空のロングパスを供給して攻撃をリードした。
 
MF
6 青山敏弘 5.5
走行距離は両軍でトップ。細かく上下動しながら、ボールホルダーやシャドーをカバーしていた。ただし、肝心のパスに受け手とズレがあり、ボールロストにつながる場面が散見。
 
8 森﨑和幸 6
持ち前の危機察知能力とポジショニングで攻守のバランスを調整。最終ラインに加わってビルドアップにも参加していたが、守備から攻撃に切り替える際のパスを相手に狙われた。
 
14 ミキッチ 5.5
ドリブル突破の迫力は申し分なかったものの、クロスが味方に合わなかったり、相手の守備網に引っ掛けられるなど、アタッキングサードに入った後のプレーにやや精度を欠いた。
 
18 柏 好文 6
推進力と鋭い切り返しでサイドからチャンスメイク。特に攻守の切り替えの早さがカウンターで活きた。強いて言えば、後半劣勢の中でもひとりで局面を打開するプレーがほしい。
 
7 森﨑浩司 5.5
最大の見せ場は11分の決定機。柏の折り返しにゴール前に飛び込んで左足を振り抜くも、槙野に触られ2戦連発ならず。その後は守備に追われ、前に出て行くだけの力がなかった。
 
25 茶島雄介 6.5
序盤は相手のマンマークに押し返されていたが、試合が進むごとに順応。裏を突く動きで攻撃に勢いを生み、指揮官のスタメン起用に応えた。フィニッシュの精度が今後の課題だ。
  
FW
11 佐藤寿人 6
前線のターゲットとして広範囲を奔走。何度倒されても球際で身体を張り、突破口を開こうとトライし続けた。茶島からのスルーパスに反応するも、シュートが枠を捉え切れなかったシーンも。
 
交代出場
9 ドウグラス 5.5
前節に続き、佐藤に代わってCFへ。動き自体は悪くなく、クロスからのシュートチャンスを狙っていたが、チームが押し込まれる時間帯が続いた影響でボールが収まらなかった。
 
30 柴﨑晃誠 ―
守勢に回った局面での出場。時間が短かったこともあるが、守備時のポジショニングに意識が強く働いていた印象で、本来シャドーで期待される「パス」を通すシーンはなし。
 
監督
森保 一 5.5
ブロックを作った堅守、攻守の切り替えを徹底。前半は完璧に近かったが、アジャストしてきた浦和に後手を踏み(交代カードも1枚残す)、「後半については反省」と振り返る。
 

次ページ浦和はリスクを冒し攻撃的な姿勢を貫く監督に選手が応えられず。

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