Jリーグ、アルビレックス新潟への懲罰を決定…是永社長は辞任、年末に取締役退任へ「信頼回復のためには…」

2020年11月06日 サッカーダイジェストWeb編集部

所属選手の酒気帯び運転、さらに報告義務を履行せず

代表取締役社長を辞任した是永氏と玉乃GM。試合開催日に来場したサポーターにも直接謝罪を行なった。(C) J.LEAGUE PHOTOS

 Jリーグは11月6日、アルビレックス新潟に対して違反行為への懲罰を決定した。

 対象とされた違反行為は、先月19日付で解雇されたファビオが9月17日、新潟市内で酒気帯び運転をしたこと。さらに、クラブはファビオの酒気帯び運転を警察官に現認されて検挙されたことを同日知ったのに、10月14日までJリーグに報告しなかったこと、の2点だ。

 懲罰内容は、罰金300万円とけん責。また、懲罰量定の参考とした事項として、以下の2点を挙げている。
(1)アルビレックス新潟は、ファビオ選手を含む外国人選手に対し、各国ごとに法規制の実情が異なることなどから外国人選手が犯しがちな飲酒運転について、これを適切に防止するために必要な指導、教育等の措置を講じていなかった。
(2)同クラブは、ファビオ選手が上記酒気帯び運転により検挙されたことを知った後、この情報を代表取締役社長、ゼネラルマネージャー及び監督の三者で共有するにとどめ、Jリーグに対しても直ちに報告せず、同年10月12 日、外部から通報を受けたJリーグからの確認を受けて初めて同月14日にJ リーグに報告するに至った。その結果、この間、同クラブはJリーグによる是正の機会のないまま、独 自の判断により、同選手をリーグ戦 6 試合に出場させることとなり、ひいてはJリーグの信用を大きく損うこととなった。

 また、新潟は11月6日、是永社長の代表取締役社長からの辞任を発表している。本日付で本人より同役職を辞任したいとの申し出があり、受理された。これを受けて、クラブは臨時取締役会において、取締役常勤顧問兼アルビレックス新潟後援会副会長である中野幸夫氏を、後継の代表取締役社長とすることを決議。是永元社長は代表取締役への降格となり、同17日には代表取締役から取締役へ異動し、さらに12月31日をもってクラブ取締役を退任する予定という。

 新たに代表取締役社長に就任した中野氏は、クラブ公式サイトを通じて次の声明を発表している。
「このたび、是永大輔の代表取締役社長の辞任に伴い、後任として就任することとなりました。一連の事案につきまして、多くの皆様にご迷惑とご心配をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。深くお詫びを申し上げます。
 当クラブは創設以来、ファン・サポーターの皆様、パートナー企業の皆様、後援会員の皆様、ホームタウンの関係者様、株主の皆様など、大変多くの方々に支えていただきながら、ここまで歩んでまいりました。代表取締役社長へ就任するにあたり、これまでのご声援やご支援に報いるためにも、誠心誠意の対応を信条として、信頼回復に努める所存です。
 そして、現在J2リーグは終盤戦に差し掛かっています。選手や監督、すべてのスタッフは、最後まで団結心を持って戦い抜く決意です。引き続き、皆様の温かいご声援をアルビレックス新潟へお送りいただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます」
 

次ページ「アルビレックス新潟の名誉を傷つけてしまったこと、毎日、自責の念に駆られています」

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事