「最悪の状況」「あの態度は嫌いだ」パリSGで“内紛勃発”!? 補強に不満のトゥヘルにレオナルドSDが憤怒

2020年10月03日 サッカーダイジェストWeb編集部

「あまりにタダで多くの選手を失い過ぎている」と注文

補強に不満を述べたトゥヘル(左)を、レオナルドSDが猛烈に批判した。 (C) Getty Images

 昨シーズンにチャンピオンズ・リーグのファイナルまで勝ち進んだパリ・サンジェルマン。だが、さらなる強化を目指した今夏は、例年に比べて新戦力の補強が少ない。

 ここまでに獲得したのは、ローマから買い取りオプション付きのレンタルで迎え入れたイタリア代表DFのアレッサンドロ・フロレンツィと、フランス3部のオルレアン・ロワレから引き抜いたフランス人GKのアレクサンドル・ルトゥリエだけとなっている。

 強化が施されない現状に指揮官も不満を募らせている。今月1日に開かれた会見においてトーマス・トゥヘルは、「良くない状況にある」として、首脳陣に注文を付けた。

「新戦力は補強しないかもしれない。私は待っているけどね。チームは昨年までと同じクオリティーではない。それは同じ選手がいないからだ。今のように選手を減らし続けたままでいれば、チャンピオンズ・リーグ優勝はより難しいだろう。

 我々はあまりにタダで多くの選手を失い過ぎている。ラビオもそうだったし、今シーズンは7選手もいなくなった。ドラクスラーやベルナト、ディ・マリアもそうなるかもしれない。これは最悪の状況だ。選手を買う金がないからね」

 上層部の強化プランに対する不満を、公の場で打ち明けたトゥヘル。この指揮官の発言に怒りを露わにしたのは、補強の全てを統括しているレオナルドSDだ。
 
 地元紙『Le Parisien』の取材に応じたレオナルドSDは、「あの発言は気に入らない」と、トゥヘルの振る舞いを猛烈に非難した。

「個人的にもそうだし、クラブとしても気に入らなかった。我々全員がサッカーだけでなく、とてもシリアスな状況で日々を暮らしている。その現状を理解していないという事実が我々はとても気に入らなかったし、少なくとも私には理解できない。

 彼がこのクラブに残ると決めたなら、スポーツ的ポリシーと内部ルールをリスペクトしなければいけない。今日は誰もが痛みを感じている。今は選手を買う時ではない。私が嫌いなのはこのチームが弱くなっていると考えていることだ。あのような態度は好かないよ」

 同紙によれば、レオナルドSDは事を荒立てるつもりはないとしながらも、ドイツ人指揮官に対しては内部的に制裁を科す可能性があるという。悲願のビッグイヤー獲得に迫った昨シーズンからの成長が求められていたパリSGだけに、開幕早々に起きた"内紛"は、早めに沈静化したいところだろう。

 ただ、レオナルドSDのコメントを聞くに、残り3日と迫っている移籍市場の閉幕までに新たな戦力の獲得は難しいとみられるが、トゥヘルの不満は収まるのだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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