コロナ対策会議で明言、8月中は観客5000名以下での開催。試合中止に専門家は「Jリーグの英断」

2020年07月27日 サッカーダイジェストWeb編集部

専門家チームの三鴨教授は名古屋の対策に「真摯に取り組んでいた」

政府方針に則って5千人以下の観客で開催すると発表した村井チェアマン。※写真は会見時のスクリーンショット

 Jリーグは7月27日、NPB(日本野球機構)と共同で行なっている「第12回新型コロナウイルス対策連絡会議」を実施。その後にオンライン上で合同記者会見を行なった。

 村井満チェアマンは会見冒頭で「政府見解にもとづいて、8月いっぱいはJリーグとしては従前の、収容人数50%、もしくは5000名以下の少ない方というもので運用していく」との見解を示し、昨日予定されていたサンフレッチェ広島×名古屋グランパスの試合中止となった件について「専門家の先生方から、多くのご助言をいただいた」と明かした。

 25日に名古屋のDF宮原和也が新型コロナウイルスのPCR検査で陽性判定が出たのをきっかけに、名古屋は選手・スタッフら約60人にPCR検査を実施。その結果、26日に新たにMF渡邉柊斗とトップチームスタッフ1人に陽性反応が出た。試合開始までに濃厚接触者の特定が困難なため、協議の結果、試合中止の判断となっていた。

 この名古屋の件についてJリーグから相談を受け、中心的にかかわっていたという、専門家チームの愛知医科大学大学院の三鴨廣繁教授は「中止としたのはJリーグの英断だった」としながらも、移動時の感染防止策の再考、濃厚接触者の定義や保健所との連係強化、検査体制の強化などについて、今後もガイドラインの更新などを視野に議論が行なわれる。
 
 また名古屋の事例ではチーム内で短期間に3人の陽性者が出ているものの、保健所の発表では濃厚接触者はなし。この点については、次のような見解が述べられている。
「結果的に3人が出ましたが、名古屋は以前にもコロナ患者が出ていることもあり、行動記録や感染防止策が徹底されていました。そういった記録、報告などを見る限り、保健所の濃厚接触者なしという発表には、私も同意しています。トレーニングからシャワーの使い方に至るまで、私の目から見ても感染防止策を真摯に取り組んでいた。それでもこうやって陽性者が出てきてしまうところに、このコロナウイルスの怖さを再認識した次第です」(三鴨氏)

 さらに名古屋では8月1日の試合開催にむけ、独自で選手・クラブ関係者100人規模のPCR検査を2度行なうことも発表している。

 現行のガイドラインでは、濃厚接触者となった場合は出場が不可となるが、過密日程での試合開催で、2週間に1度という検査期間のため、今回のように検査後に感染するケースも出てきてしまう。

 村井チェアマンは「今回の名古屋の件のように、試合開始前に陽性者が判明した場合、濃厚接触者"疑い"の人たちをどうするのか、あらかじめ整理しておく必要がある。専門家の先生から指摘をもらいながら、検証を重ねていきたい」と今後の課題を語った。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 
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