「ワクワクしてたのに…」「夢見ていきましょう」女子W杯の招致断念に“なでしこ”たちの反応は

2020年06月23日 サッカーダイジェストWeb編集部

来年開幕のプロリーグに想いを馳せて

左上から時計回りで長谷川、岩渕、菅澤、川澄。それぞれの想いをツイッターに綴った。(C)SOCCER DIGEST,Getty Images

 日本女子サッカー界の"悲願"は持ち越しとなった。

 6月22日、日本サッカー協会(JFA)は臨時理事会を開き、2023年の女子ワールドカップ招致への立候補を取り下げると発表した。25日のFIFA(国際サッカー連盟)理事会の投票で開催地が決まる予定だったが、共催を計画しているオーストラリア&ニュージーランドに票読みで劣勢に立たされていることが明白となり、苦渋の決断に至ったという。

 大きく影響したのは、やはり新型コロナウイルスの感染拡大だ。今夏に開催予定だった東京五輪が1年延期となり、FIFAの理事たちの間で「2年の間に五輪とワールドカップの(女子の)世界大会を同じ国で開催するのはどうか」というネガティブな意見が広まったのだ。日本協会の田嶋幸三会長は「すべて無駄になったとは思っていません。次につなげるためにも手をおろす決断につなげました」と説明し、23年大会以降の招致再チャレンジに意欲を示した。

 日本協会の公式ツイッター「JFAなでしこサッカー」は開催地決定の10日前から大々的にカウントダウン企画を展開し、現役の日本女子代表選手たちが「2023の私の夢」を語り継いできたが、カウントは「3」でストップしてしまった。

 なでしこジャパンのエースFW岩渕真奈(日テレ・東京Vベレーザ)は「なんでだろ…。あと3日ってワクワクしてたのに」とツイッター上で絶句し、同じくFWの菅澤優衣香(浦和レディース)も「残念…。色々ある中での決断だから仕方ないですね」と気持ちを切り替えた。

 前向きに呟いたのは、2010年ワールドカップの優勝メンバーであるFW川澄奈穂美(スカイ・ブルーFC)だ。「今回は残念ですが、W杯は4年ごとにやってくる。いつか日本で女子W杯開催できるようにこれからもみんなで夢見ていきましょう。引き続き、応援・お力添えよろしくお願いします」と呼びかけ、「2027年もし日本で開催できたら、私は、、、24歳だからバリバリいけるわ。よしっ」とボケ(?)も忘れなかった。

 
 そして、イベント参加後のリモート取材に応じたFW長谷川唯(日テレ・東京Vベレーザ)は、15歳だった2012年に日本で開催されたU-20女子ワールドカップを回顧。「あまり女子サッカーに興味のなかったひとも巻き込んで盛り上がっていたのを見ました」と振り返り、そのうえで「五輪と違って、サッカーだけの世界大会が日本で行なわれるのはすごく影響があると知っていたので、日本でやりたかった気持ちもあります」と想いを明かしている。それでも1年後の東京五輪に向けては、「すべてを出し切る大会にしたい」と決意を新たにした。

 来年には女子プロリーグ「WEリーグ」が発足する。ワールドカップ開催決定を追い風にしたかったが、近未来に明るい展望が開けている点に変わりはない。田嶋会長は「女子サッカー発展のためにWEリーグ支援や普及活動にもより一層力を注ぎ、東京五輪でのメダル獲得、女子ワールドカップ2023優勝に向けて、なでしこジャパンを全力でサポートしていく所存です」と力を込めた。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【写真】岩渕真奈、熊谷紗希、清水梨紗、長谷川唯…お茶目でラブリーな「なでしこジャパン」の素顔が見えるFIFA公式ポートレートはこちら!
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事