武藤嘉紀は“気分屋の歌姫”?英紙記者が厳しい現状をレポート「報われたのはたった2ゴール」

2020年06月13日 サッカーダイジェストWeb編集部

「最も高価なストライカーのひとり」

テストマッチで1ゴールを決めた武藤。リーグ再開に向けてアピールが続く。 (C)Getty Images

 武藤嘉紀が所属するニューカッスルは6月21日、プレミアリーグの再開マッチでシェフィールド・ユナイテッドと対戦する。

 リスタートが迫るなか、武藤に関する記事を掲載したのが、地元紙『ChronicleLive』だ。クリス・ナイト記者が、「彼はノーブルなキャラクターなのか、それとも気分屋のディーヴァ(歌姫)か? ムトウにまつわる奇妙な出来事」とタイトルを打ち、"忘れられた存在"となりつつあった、日本代表FWの現状を伝えている。

 9日に行なわれたミドルスブラとのテストマッチで、武藤は1ゴールを決めた。試合後には公式HPを通じて、「ストライカーとして最も重要なことは、得点を奪うことだ。毎日、毎日、毎試合、点を決め続ける必要がある」とコメントした。

 これを受けて、記事は次のように綴っている。

「2018年の夏にブンデスリーガのマインツからやって来たムトウは、マイク・アシュリー時代に到着した最も高価なストライカーのひとりだ。だが、その金額で報われたのはわずか2ゴール。最後の公式戦ゴールは、昨年8月のカラバオカップ、レスター戦までさかのぼる。今季はメンバーに選ばれることはなく、解決策として提案されることすらなかった」
 
 ナイト記者は、2013年にFC東京を率いたランコ・ポポビッチ監督が「彼はノーブルな家庭の出身で良い教育を受け、大学にも行っていたので、ほかの選手とは違うものを持っている」と称えたことを紹介。さらに、ドイツ時代にも言及している。

「『kicker』のゲオルグ・ホルツナー記者は、マインツ時代の彼を『トップパフォーマー』と称した。サポートでもワントップでも活躍でき、フィニッシュがうまく、体格のわりにヘディングもうまかったと語っていた」

 それゆえに、武藤のプレミア行きは「とても自然」だったとしたうえで、未だに「マインツからプレミアリーグに来た前任者、シンジ・オカザキに匹敵する評価を得ることに苦労している」と評している。
 

 その原因として、武藤がイングランドのサッカーに適応するために必要な精神面を備えているのか、疑問視する声があると伝えた。

「ゲオルグ記者はこういった。『ムトウは、ちょっと不機嫌なディーヴァの一面がある』と。彼が満点のパフォーマンスを発揮するためにはすべてが整っている必要がある。しかし、イングランドのサッカーはブンデスリーガとは違う。マインツでスターになっても、ほかのクラブではゼロからのスタートになる。ムトウがそのことを知っていたかどうかは不明だ」

 続けて、このサムライ戦士のクラブでの長期的な将来は「暗い」と見解を述べているが、リーグ再開が目前に迫るなか、「挽回のチャンスがある」とも指摘。過密日程が続くなか、出番が回って来る可能性も高いと見ているようだ。

「残り9試合、未だに火の付いていないムトウが、新たなキャリアをスタートさせる可能性があるかもしれない」

 現在、ニューカッスルは17位で降格圏の18位ボーンマスとは8ポイント差がついている。残留に貢献するためのチャンスが、はたして武藤に巡ってくるだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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