「中国の犠牲者だ」最下位エスパニョールの不調の原因をスペイン紙が指摘!28試合中14戦がなんと…

2020年06月02日 サッカーダイジェストWeb編集部

わずか6ポイントと散々

エスパニョールで奮闘するウー・レイ。ここまで3ゴールを挙げている。(C) Getty Images

 昨シーズンはラ・リーガで7位となり、12年ぶりの欧州の舞台となるヨーロッパリーグ出場権(EL)を勝ち取ったエスパニョール。だが、その立役者だったルビ監督がベティスに去った今季は、二度の監督交代も実らず、ここまでまさかの最下位に沈んでいる。

 指揮官の退団のほかにも、主砲ボルハ・イグレシアスの移籍(ベティスへ)、ELとの二足の草鞋の負担など、不調の要因は様々あるだろう。

 そんななか、興味深い分析をしたのがスペイン紙『AS』だ。「エスパニョールは中国の犠牲者」と題し、アジア向けのデーゲームが多いことが精彩を欠く原因となっていると報じたのだ。

 エスパニョールには、昨年1月に加入した中国代表FWのウー・レイがいる。母国での人気は抜群で、ユニホームは飛ぶように売れ、4000万人が視聴した試合があったとも言われている。

 そこで、ラ・リーガは、このバルセロナの第2勢力の試合を、いわゆるランチライムキックオフに設定することが多いのだ。
 
 記事によれば、コロナ中断からの再開初戦となるアウェーでのアラベス戦(6月13日13時キックオフ)を含めると、28ゲーム中、ちょうど半分の14試合がそれにあたるという(内訳は土曜の13時が5回、日曜の12時が8回、14時が1回)。もちろん、これはリーグトップで、2位はアスレティック・ビルバオの13試合、3位は久保建英が所属するマジョルカの11試合だという。

 そして、ここまで日中に行なわれた13戦の成績は、1勝3分け9敗と散々。勝点39のうち、わずか6ポイントしか獲得できていない。ちなみに、それ以外の14試合では14ポイントを挙げているというから、その差は明白だ。

 相手も同じ条件とはいえ、日差しのきついスペインでデーゲームが続けば疲労が溜まるだろう(ましてやミッドウィークにはELがあった)。また、休日のお昼キックオフではファンの出足も遅く、ホームゲームでも"雰囲気"が作りにくいといった面もあるかもしれない。

 莫大な経済利益をもたらし、ピッチ上でもチーム2位の3ゴールを奪っているウー・レイにもちろん罪はない。ただ、リーグの思惑の"犠牲"になっているというAS紙の指摘は、データからも間違ってはいないと言えそうだ。

 これからは暑くなる一方で、中断明けということもあり、コンディションが心配されるが、記事はこう締め括っている。

「彼らの慰めは、最後の8節は(暑さを考慮して)夕方と夜のみに行なわれるということだ」

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 
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