サッカー王国がピンチ!? 名門ヴァスコで選手19人の感染が判明。練習再開にも目途立たず「当面は無理だ…」

2020年06月01日 サッカーダイジェストWeb編集部

練習再開を目の前にまさかの事態

ブラジル屈指の人気を誇るヴァスコが“コロナ禍”で揺れている。 (C) Getty Images

 新型コロナウイルスによって、サッカー界は深刻なダメージを受けた。その影響を拭いきれてはいないものの、欧州ではブンデスリーガが再開し、プレミアリーグが現地時間6月17日からのリスタートを決定するなど、再起に向けて動きを見せている。

 その一方でいまだ苦しい立場にあるのが、"サッカー王国"ブラジルだ。

 ブラジルでは新型コロナウイルス感染拡大のペースが急激に早まっており、5月末時点で、アメリカに次ぐ世界2番目に多い51万人以上の感染者と、2万9000人以上の死者が報告されている。

 そうした窮状はサッカークラブにも影響を与えている。現地時間5月31日には、国内屈指の名門ヴァスコ・ダ・ガマが、6月1日からの練習再開を前に実施した新型コロナウイルス感染の検査の結果、19人の選手に感染が確認されたと発表した。

 選手やスタッフなど関係者を含めた計250人に対して検査を実施したヴァスコ。その結果、約44%にあたる19人の選手(そのうちの3人は回復済み)から陽性反応が検出されたと明かしている。

 ヴァスコは、元日本代表MFの本田圭佑も所属するボタフォゴのライバルでもあり、リオ・デ・ジャネイロ州でも指折りの人気のあるクラブだ。それだけに今回の一報は現地でも小さくない波紋を広げている。

 クラブも再開を急がない意向を示している。ヴァスコの医療スタッフのチーフを務めているマルコス・テイシェイラ氏は、ブラジルの有力メディア『Globo Esporte』で、次のように語った。

「すでに3人は回復し、残された16人も隔離されている。その他の選手たちもウイルスが感染しないように検査と医療的隔離を続けている。だが、残りの95パーセントの選手やスタッフは医療当局で再検査を受ける予定で、その結果と州の了承を得られ次第、トレーニングを開始するつもりだ。当面は無理だろう」

 果たして、ブラジル・サッカー界が再び動き出すのはいつになるのか。ヴァスコの現状を見る限りでは、まだ時間を要しそうだが……。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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