「モッタが退場した時、バルサは…」10年前のCL準決勝で、モウリーニョは敵将ペップに何を"耳打ち"したのか?

2020年05月22日 サッカーダイジェストWeb編集部

イブラヒモビッチを呼び寄せたペップに対し…

ライバル関係にあるモウリーニョ(左)がペップ(右)に囁いた言葉とは? (C) Getty Images

 記憶されている方も多いことだろう。10年前のチャンピオンズ・リーグの名場面のひとつだ。

 2009-2010シーズンの準決勝、ジョゼ・モウリーニョが率いるインテルは、ジョゼップ・グアルディオラ監督のバルセロナにホームでの第1レグで3-1の勝利。アドバンテージを持って、敵地カンプ・ノウに乗り込んだ。

 だが、開始28分にセルヒオ・ブスケッツに対するラフプレーがあったとして、中盤の守備の要であるチアゴ・モッタが一発退場。インテルは、残り60分以上を10人で戦う苦しい状況に追い込まれた。

 第1レグでアウェーゴールを奪っているバルサは、2-0ならファイナルに進出できる。しかも、数的優位となり攻撃に専念できるため、圧倒的な破壊力を巡るペップのバルサであれば、それほど難しいミッションではない。この瞬間、スタジアムは大歓声に包まれた。
 
 すかさず、グアルディオラは、ズラタン・イブラヒモビッチをタッチライン際に呼び寄せ、何事か指示を与える。その時だった。モウリーニョがペップに近寄り、耳元で何事か囁いたのだ。前シーズンまでインテルでプレーし、このポルトガル人指揮官との関係も良好だったイブラヒモビッチも怪訝そうな表情を浮かべた耳打ち。その内容を本人が明かしている。

 5月21日、モウリーニョがイタリア紙『Gazzetta dello Sport』に語った内容を報じたスペイン紙『AS』によれば、モウリーニョは「モッタが退場になった時、バルサのベンチはまるで勝ったかのように騒いでいた」と語り、こう続けた。

「グアルディオラがイブラヒモビッチを呼んで、戦術について話していた。彼(ペップ)だけに聞こえるようにこう言ったんだ。『パーティーはないぞ。まだ終わっていない』とね」

 その言葉通り、10人のインテルは気迫の籠った守備を披露。84分にジェラール・ピケのゴールで1点を奪われたものの、バルサの猛攻を凌ぎ切り、アグリゲートスコア3-2で勝ち抜けを決めたのだ。

 激闘を制して勝ち上がった決勝で、インテルはバイエルンを2-0で撃破。45年ぶりの欧州制覇を成し遂げ、イタリア史上初の3冠という偉業を達成したのだった。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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