短期集中連載『W杯アジア予選を突破した日』vol.4 ウズベキスタンvs日本|岡崎の決勝弾で4大会連続出場
過去6度のワールドカップに出場した日本代表は、これまで5度のアジア予選を突破してきた。本稿ではそれぞれの最終予選突破を果たした試合にスポットを当て、そこにまつわる舞台裏エピソードや関係者たちの想いに迫る。(文●佐藤 俊/スポーツライター)
――◆――◆――
岡崎慎司は、この試合から1年後、自分がベンチスタートになるとは思っていなかっただろう。
本田圭佑は、途中出場だったが、1年後には自分が主役になる道が見えていたように思える。
2009年6月6日、南アフリカ・ワールドカップ・アジア最終予選、ウズベキスタン戦がアウェーのタシケントで行なわれた。それまで日本は3勝2分け、このウズベキスタン戦に勝てば4大会連続でのワールドカップ出場が決められるという状況だった。
岡崎は右MFでスタメン出場。1トップには大久保嘉人、トップ下には中村憲剛、左MFには中村俊輔が入り、攻撃的な布陣で試合に臨んでいた。
9分に挙げた決勝ゴールは、岡崎の良さが凝縮されたゴールだった。
中村憲の浮き球のパスを相手DFの裏に抜け出して受け、右足でトラップしてから左足でシュート。一度は相手GKにはじかれたが、その跳ね返りに頭から突っ込んで先制点を叩き込んだ。背後に抜ける巧さ、そして最後まで諦めない岡崎らしい泥臭いゴールだった。そして、このゴールが決勝点になり、日本は南アフリカ行を決めたのである。
「ワールドカップ出場を決めるゴールを取れてよかったし、自信になった」
岡崎は、顔をくしゃくしゃにして喜んだ。
「持ってるよな、あいつ」
北京五輪から岡崎と共闘し、この試合で途中出場を果たした本田は、決勝ゴールをそう祝した。そして、続けてこう言った。
「これからが勝負やと思う」
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岡崎慎司は、この試合から1年後、自分がベンチスタートになるとは思っていなかっただろう。
本田圭佑は、途中出場だったが、1年後には自分が主役になる道が見えていたように思える。
2009年6月6日、南アフリカ・ワールドカップ・アジア最終予選、ウズベキスタン戦がアウェーのタシケントで行なわれた。それまで日本は3勝2分け、このウズベキスタン戦に勝てば4大会連続でのワールドカップ出場が決められるという状況だった。
岡崎は右MFでスタメン出場。1トップには大久保嘉人、トップ下には中村憲剛、左MFには中村俊輔が入り、攻撃的な布陣で試合に臨んでいた。
9分に挙げた決勝ゴールは、岡崎の良さが凝縮されたゴールだった。
中村憲の浮き球のパスを相手DFの裏に抜け出して受け、右足でトラップしてから左足でシュート。一度は相手GKにはじかれたが、その跳ね返りに頭から突っ込んで先制点を叩き込んだ。背後に抜ける巧さ、そして最後まで諦めない岡崎らしい泥臭いゴールだった。そして、このゴールが決勝点になり、日本は南アフリカ行を決めたのである。
「ワールドカップ出場を決めるゴールを取れてよかったし、自信になった」
岡崎は、顔をくしゃくしゃにして喜んだ。
「持ってるよな、あいつ」
北京五輪から岡崎と共闘し、この試合で途中出場を果たした本田は、決勝ゴールをそう祝した。そして、続けてこう言った。
「これからが勝負やと思う」
両者の言葉は、当時のそれぞれの立場を鮮明に表わしていたと言えよう。このシーズンの岡崎は、南ア行きを決めたゴールを含め、国際Aマッチ16試合で15得点と爆発し、チームのエース格に成長した。
一方、本田はキャプテンとしてVVVフェンロで1部昇格を実現させたが、まだブレイクの夜明け前だった。