イニエスタの“伝説弾”で出生率が急上昇!? 11年前のゴラッソに再脚光「感情の支配力を高めた」

2020年04月28日 サッカーダイジェストWeb編集部

“イニエスタッソ”がベビーブームに寄与?

イニエスタのチェルシー戦で放ったゴラッソは、11年が過ぎた今でも語り継がれている一撃だ。 (C) Getty Images

 今から11年前、イーストロンドンを舞台に伝説的なゴールは誕生した。

 2009年5月6日に行なわれたチャンピオンズ・リーグ準決勝の第2レグ、敵地スタンフォード・ブリッジに乗り込んでチェルシーと対戦していたバルセロナは追い込まれていた。というのも、本拠地での第1レグをスコアレスドローで折り返した彼らは、この試合で先制を許していたからだ。

 ジョン・テリーらを中心としたブルーズの分厚い守備網を打ち破れず、さらに焦りから持ち味の繊細な攻撃が展開できなかったバルサ。だが、ファイナル進出を確信したホームサポーターが沸き立ち始めた後半アディショナルタイム3分に"ゴラッソ"が飛び出す。

 バイタルエリア付近でリオネル・メッシからのパスを受けたアンドレス・イニエスタが右足を一閃。この強烈なシュートが、名手ペトル・チェフの手をすり抜け、チェルシーゴールに突き刺さったのだ。

 この値千金の同点弾で、アウェーゴールの差で競り勝ったバルサは、迎えた決勝でもマンチェスター・ユナイテッドを撃破。3年ぶりのビッグイヤーを掴み取ったのだった。

 一部のファンからは"イニエスタッソ(ゴラッソを交え合わせた造語)"として崇められている元スペイン代表の11年前の千金弾。これにまつわる意外なデータが明らかになった。
 
 現地時間4月26日、スペインのラジオ局『Cadena SER』は、イニエスタのチェルシー戦でのゴールによってカタルーニャ地方での出生率が高まったと報じた。

 記事によれば、スペインのセルダーニャ病院に勤めている腫瘍学者のヘスス・ モンテシノス氏が、2009年5月から過去5年に渡る合計1万1000人の出生データを確認。そのうえで"イニエスタッソ"の誕生から9か月後に当たる2010年2月の出生率が前年と比べて16パーセントも上昇。また続く3月の出生率も、前年の同月よりも11パーセントも増えていたことがわかったとしている。

 実際のところ、イニエスタのゴールと出生率の因果関係について、詳細な分析は明らかにされてはいない。だが、モンテシノス氏は論文で、次のように綴っている。

「相当な増加だと言える。大規模な人間の感情が、人口の変動に甚大な影響を与え得るということ。そして国家的、あるいは地域的なイベントは理性の支配力を減らし、感情の支配力を高めるということだ」

 イニエスタがもたらした歓喜による興奮が、母国のベビーブームに繋がったのならば、驚くべきことだというほかはない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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