「恐怖でしかなかった」「遅すぎて妻も…」新型コロナに感染したアーセナル監督が“闘病生活”を激白!

2020年03月27日 サッカーダイジェストWeb編集部

「乾いた咳が酷くてね。ずっと胸に違和感を抱えていた」

日常の生活を取り戻したアルテタ監督(右)。感染経験者として「メッセージを発信していきたい」と語る。(C)Getty Images

 プレミアリーグの強豪クラブを率いる監督が、新型コロナウイルスに感染した──。世界中に衝撃を与えたのは、3月12日のことだった。

 陽性反応が出てから2週間。アーセナルのミケル・アルテタ監督がクラブ公式ホームページに登場し、隔離から回復までの一部始終を告白した。「恐怖でしかなかった。忘れられない経験だ」と振り返っている。

 アーセナルは2月下旬、ヨーロッパリーグのオリンピアコス戦を消化。のちにオリンピアコスのオーナーや選手たちが新型コロナに感染していた事実が判明し、濃厚接触の可能性が浮上したため、アルテタ監督の下にもクラブスタッフから症状の確認の電話が入ったという。

「電話をもらったあとに、身体に異変を感じたんだ。マンチェスター・シティ戦を翌日に控えていたし、もしかしたら自分が感染を広げてしまってるかもしれないと感じて、すぐにドクターに来てもらったんだ。これはきっと感染したんだろう。僕に起こるなら誰にだって起こりうる。そう考えると、恐怖でしかなかった」

 症状は瞬く間に悪化したが、重篤な状態には陥らなかったという。

「最初は普段のウイルス性の風邪のように感じていたけど、それからの3~4日間はけっこう苦しかったよ。熱が下がらなかったし、なにより乾いた咳が酷くてね。ずっと胸に違和感を抱えたままで……。でも幸いにもそこまでだった。いまは完全に回復したよ」

 自宅で隔離される日々を過ごしていたが、妻への感染は防げなかったという。

「僕自身はずっと部屋かバスルームにいて、家の中で隔離されていた。でも、数日経ってから妻にも同じ症状が出始めて、陽性と診断されてしまったんだ。僕は症状が出てから自宅に籠ったわけだけど、それでは遅すぎたんだろう。感染力の強いウイルスだと思い知られた。彼女もベビーシッターも家の中を動き回っていたけど、幸運にも3人の子どもたちには感染しなかった。神に感謝したい」

 
 闘病中はクラブの首脳陣や選手たち、ファン・サポーターからの絶え間ない激励を受けて、勇気づけられたと語るスペイン人指揮官。英国内でも感染拡大が深刻となるなか、「本当に恐ろしいウイルスだということを知ってほしい。一人ひとりが正しいリアクションを起こし、外に出かけずに家で静かに過ごすことを第一にしてほしい。そして、NHS(国民医療サービス)に従事する人びととお年寄りの存在を、よく考えてほしい」と呼びかけた。

 プレミアリーグの再開は早くても4月30日だが、現実的にはさらにずれ込むか、あるいはシーズンそのものがキャンセルされる可能性も否定できない。アルテタ監督は「あらゆる人びとへの感謝を忘れず、できるかぎりの最良の準備をしていきたい」と気を引き締めた。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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