「健康を最優先にすべきだ!」スペイン・サッカー連盟が東京五輪開催延期を要請! IOC副委員長に直談判

2020年03月22日 サッカーダイジェストWeb編集部

安倍首相は開催を主張も強まる「延期」の声

スペイン・サッカー連盟のルビアレス会長(左)は東京五輪の開催延期を求めた。 (C) Getty Images

 現地時間3月21日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、スペイン・サッカー連盟(RFEF)は、今年7月に開幕予定となっている東京五輪の延期を要請する旨の声明を発表した。

 周知の通り、いま全世界で新型コロナウイルスが猛威を振るっている。ヨーロッパでも感染者が急増しており、とりわけスペインでは21日時点で感染者数が19980人、死者数は1002人と深刻化している。

 そうした状況を踏まえ、RFEFが動いた。21日に開催された他の種目競技団体との会合で、ルイス・ルビアレス会長は、フアン・アントニオ・サマランチ国際オリンピック委員会(IOC)副委員長に東京五輪の延期を正式要請。その理由について、「今は他のどんな問題よりも健康が優先である」と述べた。

「すべての努力は、コロナウイルスと戦う我々の政権を支援するために集中しなければならない。私たちは、政府側に立たなければならない。スポーツは我々が存在する理由だが、今はそれ以上に優先するものがある。

 我々はサッカーと今回の問題のために仕事を続けているが、スペイン人としての義務は、団結を維持し、すべてのスポーツイベントを一時停止することだ」

 現在、東京五輪については、通常通りの開催か延期か、はたまた中止にするかで議論が巻き起こっている。

 今月19日に開かれた参院総務委員会で、安倍晋三首相は「規模は縮小せずに行う。観客も一緒に感動を味わっていただくということだ」とし、「延期や中止については一切言及していない」と強調。さらに国際五輪委員会のトーマス・バッハ会長も「五輪は週末のサッカーのように延期はできない」とドイツ公共放送のインタビューで明言した。

 その一方で、新型コロナウイルスの影響によって、まともに練習ができていない現状などから、各国のスポーツ界からは延期を求める声が相次いでおり、21日には、人気種目である陸上界から、アメリカ陸上連盟がツイッターで、「最優先課題は、選手たちの精神的な安定と健康である」と声明を発表した。

 そうしたなかで、延期を主張したRFEFの声は、東京五輪の開催に影響を及ぼすのだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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