フラメンゴ、ジーコ以来38年ぶりの世界制覇へ前進! アジア王者に大苦戦も地力を見せつけて逆転勝利【クラブW杯】

2019年12月18日 サッカーダイジェストWeb編集部

後半に豹変した南米王者

同点弾を決めたデ・アラスカエタ(左端)を祝福するフラメンゴの面々。アジア王者に苦戦を強いられながらも圧倒的な攻撃力で勝利をもぎ取った。 (C) Getty Images

 現地時間12月17日、カタールで行なわれているクラブワールドカップの準々決勝が開催され、南米王者のフラメンゴ(ブラジル)とアジア王者のアル・ヒラル(サウジアラビア)が対戦した。

 試合は戦前の下馬評を覆す展開でスタートする。アジア王者が、ACLの決勝で浦和レッズを翻弄したサイドアタックから均衡を破るのだ。18分、右サイドを攻め上がったアル・ブライクが絶妙なクロスをマイナスに供給すると、アル・ドーサリが豪快な一撃を突き刺したのである。

 先手を取ったアル・ヒラルは、その後も積極果敢なフォアチェックを徹底し続けては、鋭いカウンターを展開して、南米王者を大いに苦しめる。

 反撃に出たいフラメンゴだったが、アル・ヒラルのアグレッシブなスタンスに苦戦が続き、スタメン11人のうち9人が国内リーグのベストイレブンに選出された実力派揃いのスカッドが鳴りを潜め、頼みのブラジル代表FWガブリエウも存在感が希薄なまま、完全に抑え込まれてしまう。

 結局、前半はフラメンゴがビッグチャンスを創出できないまま、アル・ヒラルが1点をリードして終了した。

 迎えた後半、前半に劣勢に立たされたフラメンゴが鮮やかなパスワークから、あっさりと同点弾を奪う。

 49分、ガブリエウのスルーパスをエリア内で受けたB・エンリケが中央へ折り返すと、これをフリーとなっていたデ・アラスカエタが冷静に沈めた。

 ようやく本来の攻撃の形を見せ、なおも攻勢を強めたフラメンゴは、51分にガブリエウが惜しいシュートを放つなど、前半と打って変わっておもしろいようにチャンスを創出していった。

 相手の攻勢を前に、やや押し込まれたアル・ヒラルだったが、守備は大きく乱れず。受け身になっても冷静沈着に対応し続けた。

 その後は一進一退の攻防戦が続いたなかで、次点をもぎ取ったのは、地力に勝る南米王者だった。78分、右サイドをオーバーラップしたラフィーニャがピンポイントのクロスを蹴り込むと、B・エンリケがドンピシャのヘディングで合わせてゴールをこじ開けた。

 ようやく逆転に成功したフラメンゴは、緊張の糸が切れたアル・ヒラルからトドメの一点を奪う。82分にB・エンリケのクロスが相手DFアル・ブライヒに当たってゴールに吸い込まれたのだ。

 何とか食い下がりたいアル・ヒラルだったが、3点目を失った直後の83分にペルー代表FWのカリージョが相手にレイトタックルを見舞って一発退場を命じられ、万事休すとなった。

 序盤戦に苦しめられながらも、見事な修正力を見せ、ジーコを擁した1981年のトヨタカップ優勝以来、38年ぶりの世界制覇に向けて、歩を進めたフラメンゴは、現地時間12月21日にモンテレイとリバプールの勝者と対戦する決勝へ進出した。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事