「中盤はどこでもある程度できる」本人も自信を覗かせる鎌田大地のトップ下起用。森保Jの救いの一手となるか

2019年10月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

タジキスタン戦の布陣変更は監督の指示ではなく…

試合途中、1トップからトップ下へポジションチェンジした鎌田。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[カタール・ワールドカップ・アジア2次予選]日本 3-0 タジキスタン/10月15日/ドゥシャンベ・セントラルスタジアム
 
 欲を言えば前半のうちに先制点が欲しかった。しかし、慣れない人工芝や、満員のスタジアムでの完全アウェーの雰囲気などもあってか、なかなか試合に入り込めず、点を奪えない状況が続いた。それでも後半は、53分の南野拓実の先制ヘッドをきっかけにゴールを重ね、結果的に日本は3-0の快勝を収めた。
 
 森保ジャパンはこの試合の途中に、布陣変更を行なった。10日のモンゴル戦で代表初ゴールを挙げた鎌田大地は、最初の段階では1トップを務めていたが、途中からトップ下の位置に下がり、代わりに南野が最前線に移動すると、そこから、見事に攻撃の歯車が噛み合い始めていった。
 
 負傷により招集が見送られたFW大迫勇也の代役として23名に名を連ねた鎌田は、自身の適正について「真ん中のポジションの中盤はどこでもある程度できると思う」と1トップ以外の位置でのプレーにも自信をのぞかせる。

 タジキスタン戦のポジションチェンジには、裏話があった。本来、戦術変更は監督の指示で行なわれるものだが、今回は選手間での話し合いで決めたのだという。

「森保さんに言われたわけじゃなくて、前半の途中から僕が一切ボールに触れなかったので、(南野)拓実くんも気を遣ってくれて、そういう風に言ってくれたので、僕自身も代わりたかったし、ボールに触れないと今日なにもしていなかったので」
 
 ポジション変更の話し合いは、前半の終了間際にはもう行なわれていた。ハーフタイムでの会話は無かったというが、後半開始前に選手たちがピッチに散らばる際に南野に、「ちょっとこのまま(トップ下)でやらしてください」と声をかけたと話す。
 
 その後、鎌田はプレッシャーを感じることなく、ボールをしっかりと収めることができ、南野もゴールに近い位置で相手DFと自由に駆け引きができたことで、立て続けに得点を奪うことができた。
 
 所属するフランクフルトでは「10番(トップ下)」の位置でプレーする鎌田。鳥栖時代から、"トップ下気質"だと本人も語るほど、やりやすさと愛着を感じている。この新たなオプションが、カタール・ワールドカップに向けて戦う森保ジャパンの救いの一手となることを期待したい。
 
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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