負けたくはないけど…田嶋会長が「アジアの底上げを手伝うのは日本の責任」と考える理由は?

2019年10月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

アジアを欧州並みの競争力のあるレベルに引き上げる

アジア地域全体の強化を掲げる田嶋会長。それが日本代表の強化にもつながると考える。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 10月15日、日本代表はカタール・ワールドカップ・アジア2次予選のタジキスタン戦をドゥシャンベのセントラルスタジアムで戦い3-0と勝利を収めた。

 台風19号の被害を受け、アウェーの白いユニホームには喪章が巻かれ、キックオフ前には黙とうも捧げられた。

 試合後に取材に応じたJFA(日本サッカー協会)の田嶋幸三会長は、「(試合開始時の黙とうについて)タジキスタン協会が対応してくださった。感謝したい。選手もその気持ちを持って戦ってくれた」と、選手と対戦相手に敬意を表した。

 タジキスタンとの対戦は9年ぶりとなるが、田嶋会長は当時と比べ大きな進歩を感じているようだ。
「タジキスタンに限らず、東南アジアなどの成長というのは、我々と比べたらもっと右肩上がりだと思っています。我々もそこに負けちゃいけない」

 また同日に行なわれていたアジア2次予選他会場の結果を受けて、
「(西野氏が監督を務めるタイ代表がUAEを撃破したことについて)西野さん、よくやった。簡単に勝っている国はない。中国もフィリピンと引き分けたり、韓国も北朝鮮と引き分け、サウジもパレスチナと引き分けているし、簡単に勝っているところなんかない。サッカーのワールドカップ予選はどこもキツイなと思います。

(日本が)そうなりたくはないけど、例えばイタリアだって(ワールドカップに)出れない、それから、オランダだって、アメリカだって出れない。そういう戦いがあるから、大陸全体のレベルが上がるのであって、自分たちは負けたくはない。だけど、切磋琢磨し追い抜く国が出てくるというのは、我々が強くなるためには必要だと思っています。

 そういうレベルにアジアがならなければ、我々がワールドカップに出て勝てるようにはならないと思っています。だから我々は指導者も派遣しているし、地域全部の底上げを手伝うというのは、ワールドカップ常連国となった日本の責任だと僕は思っています」

 アジアを欧州並みの競争力のあるレベルに引き上げる。タジキスタンのサッカーを目の当たりにし、独自の理論を説明した田嶋会長は、「勝ってよかったです。本当に」とそう安堵した。

 日本代表は次節、11月14日にアウェーで今節グループFの2位に上がったキルギス戦を迎える。

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構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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