「ユース育ちの選手にとっては邪魔になる」元浦和指揮官がPSVの堂安獲得に苦言! 小野伸二との比較も…

2019年08月29日 サッカーダイジェストWeb編集部

「商業的には興味深い」としつつも…

堂安の獲得を決めたPSVの補強戦略に元浦和指揮官が苦言を呈した。 (C) Getty Images

 現地時間8月27日、日本代表MFの堂安律がフローニンヘンからPSVへのステップアップ移籍を果たすことが決定した。オランダ・メディアの『AD』によれば、移籍金は、交渉開始当初の1400万ユーロ(約17億5000万円)からプライスダウンした750万ユーロ(約9億3750万円)でクラブ間合意に達した。

 今夏の移籍市場でメキシコ代表FWのイルビング・ロサーノをナポリに引き抜かれていたPSVにとっては、サイドアタッカーとしてオランダで結果を残し、21歳と伸びしろもある堂安は、まさに打ってつけの補強だ。そのことは同クラブのテクニカル・マネージャーを務めるジョン・デヨング氏が、「リツ・ドウアンは我々のプロファイルに完全にマッチしている」とコメントしたことからも窺える。

 しかし、この移籍に懐疑的な意見を述べる人物もいる。PSVの元監督で、1999年には浦和レッズを率いた経験を持つア・デモス氏だ。『AD』の取材に対して、今夏におけるPSVの補強について次のように語った。

「PSVはすべてユース育ちの選手にしようとしていた。彼らは"お買い物クラブ"というイメージを払拭したかったはずだ。しかし、彼らは、コンスタンティノス・ミトログルを獲得すると、今度はドウアンを獲った。2人はユース育ちの(コディ・)ガクポと(モハメド・)イハッタレンにとっては邪魔な存在になる。

 ヨーロッパリーグに出るため、手駒が必要なのは分かる。もちろん競争は悪いことじゃない。でも、それ以外にも、ペレイロ、ベルフバイン、ブルマ、ランマーズとPSVには人材がいる。マルク・ファン・ボメル監督にとって大変な仕事になるだろうね」

 さらにア・デモス氏は、堂安の移籍について、「商業的には興味深い。彼のおかげで多くの日本人がPSVのスタジアムを訪れ、さらに試合は日本でも放送される」とメリットを分析。そのうえで、「一番大事なのはサッカーだ」として、こう主張した。

「確かにドウアンは良い選手だと思う。しかし、私が浦和レッズを率いていた時には、シンジ・オノがいた。彼はドウアンより3段階も上だったよ。ただ、PSVはフローニンヘンよりも優れた選手が多くいる。その分、彼はまだ"爆発"する可能性を秘めているとは思う」

 エールディビジと日本人選手を良く知るオランダ人監督から手厳しい言葉を浴びせられた堂安。ピッチのうえでそうした評価を覆せるだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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