「1350万ユーロは高すぎる!」堂安律に付いた値札にPSVが難色。すでに関心は次善の候補へ…

2019年08月21日 サッカーダイジェストWeb編集部

「800万ユーロまで下がれば現実味」とオランダ紙

はたして堂安自身が希望するPSVへの移籍は実現するのか。夏の移籍期限最終日まで、残るはおよそ2週間だ。(C)Getty Images

 どうやら雲行きが怪しくなってきた。
 
 今夏のステップアップ移籍が取り沙汰されているのが、フローニンヘン所属の日本代表MF堂安律だ。新天地の有力候補は同じオランダ・エールディビジの名門PSVアイントホーフェンで、堂安自身も移籍を切望しているという。
 
 日曜日のリーグ戦第3節、AZアルクマール戦を試合直前の頭痛で欠場した堂安。ゲーム終了後にオランダ全国紙『De Telegraaf』の取材に応え、「自分はステップアップしたい。行くのであればそれは確かにPSVで、彼らとは6年前からコンタクトを取り続けている。オファーが実現することを願っている」とその想いを赤裸々に明かした。
 
 しかしながら、交渉は遅々として進んでいない。『De Telegraaf』紙はフローニンヘンがPSVに突き付けた売却条件が厳しく、非現実であることを原因に挙げている。以下の通りだ。
 
「PSVはドウアンの能力を高く評価しており、フローニンヘンに獲得オファーを提示している。だが彼らの返答は、想像の範疇を超えるものだった。違約金1350万ユーロ(約16億8750万円)という破格の額面で、しかも、将来的に他クラブへ売却される場合は、その移籍金収入の何%かをも求めるというもの。これをPSV側は驚きをもって受け止め、大幅な減額を打診している」
 
 同紙は、PSVが支払えるのは最大でも1000万ユーロ(約12億5000万円)で、800万ユーロ(約10億円)まで下がれば実現の可能性が高まると見ている。PSVはメキシコ代表MFイルビング・ロサーノのナポリ行きが秒読み段階で、4000万ユーロ(約50億円)前後の違約金を手にする見込みだ。それでも同紙は「だからといって、PSVは20歳前後の国内リーグでプレーしている選手に1000万ユーロを捻出するつもりはない」と言い切り、「過去10年を振り返っても、2016年にハキム・ジイェフがトゥベンテからアヤックスに移籍した際の1100万ユーロ(約13億7500万円)が国内最高値。ジイェフは当時23歳だった」と記している。

 
 頑なな態度を崩さないフローニンヘンに対して、PSVも次善の策を練り上げている。堂安を諦め、ドイツ・シュツットガルトのアルゼンチン人FW、ニコラス・ゴンサレス(21歳)に白羽の矢を立てているのだ。
 
 堂安と同じ左利きで右サイドが主戦場のゴンサレスは、インテルも強い関心を寄せる人気銘柄だが、選手本人は出場機会の確保を第一に考えているという。『De Telegraaf』紙は「ゴンサレスは数年後にミラノに行く。その将来的なプランを含めての交渉になるかもしれない」と踏み込んでいる。
 
 まさに風雲急を告げている。はたして堂安はこの夏にステップアップを遂げられるのか。エールディビジの移籍期限は現地9月2日までで、タイムリミットまでおよそ2週間というタイミングだ。
 
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事