「年俸が減ってでも欧州に行く!」韓国紙が明かした、ファン・ウィジョの決意とボルドー移籍の舞台裏

2019年07月15日 サッカーダイジェストWeb編集部

中国、中東からの超高額オファーを蹴ってまで…

2年間の在籍ながら、Jリーグに鮮烈なインパクトを残したファン・ウィジョ。初の欧州挑戦に胸を躍らせている。写真:早草紀子

 土曜日のJ1リーグ第19節、ガンバ大阪vs清水エスパルスの一戦はホームチームの1-0快勝に終わった。
 
 この試合が2年間在籍したチームでのラストゲームとなったのが、G大阪の韓国代表FWファン・ウィジョだ。試合後にはサポーターから惜別の拍手喝采を浴び、チームメイトからは胴上げを受け、クラブは翌日にフランス1部・ボルドーへの移籍を発表するに至った。
 
 急転直下の展開のように思えた移籍劇だが、韓国の全国スポーツ紙『スポーツソウル』の独自取材によると、ファン・ウィジョの周辺ではさまざまな想いが交錯していたようだ。同紙はファン・ウィジョが契約するマネジメント会社『イバン・スポーツ』を直撃し、その舞台裏を明らかにした。同社のイ・ヨンジュン代表はこう語っている。
 
「中国や中東からのオファーがあったし、(アメリカの)MLSからもバンクーバー、マイアミ、ポートランドといったクラブが彼の獲得を望んでいた。それでも、ファン・ウィジョ本人は欧州以外には考えられない、年俸が減ってでも行くと話していた」
 
 同代表はさすがに年俸ダウンだけは避けようと奔走。G大阪と交わした契約解消に伴う移籍金は200万ユーロ(約2億5000万円)で、これを支払ってくれる欧州クラブがボルドーだったという。気になる年俸は、18億ウォン(約1億8000万円)。「中国と中東からは350~450万ドル(約3億8500~5億円)というオファーもあったが彼は拒否した」とし、「最終的にはガンバと同程度の年俸を得るに至り、下回ることはなかった」と説明している。

 
 ファン・ウィジョが見据える目標は変わらない。近い将来、プレミアリーグでプレーするのが夢だ。

「彼が夢見ているのはプレミアリーグだ。その夢のために走り続ければ、ボルドーも今回投じた元金以上のものを回収できると考えたのだろう。満27歳と若くはないが、それだけの価値がある選手と判断したのだ」
 
 さらに、現在ボルドーの指揮を執るパウロ・ソウザ監督と、韓国代表のパウロ・ベント監督は同じポルトガル出身で、長らく代表チームで切磋琢磨した同世代。移籍交渉が進むなかで両者がコンタクトを取り合っていたのは疑いがなく、今後の代表招集についても意見交換がなされたという。
 
 浪速の雄をステップボードに、フランスへと旅立ったファン・ウィジョ。その豪快で思い切りの良いフィニッシュを欧州の舞台でも炸裂させるか。同い年で韓国サッカーを牽引するソン・フンミン(トッテナム・ホットスパー)、その背中を追う。
 
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
参照元●スポーツソウル日本版
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