「VARで判断すべきだった」「モニターを見ようともしなかった!」ウルグアイ戦の“PK見逃し”がスペインでも話題に

2019年06月21日 サッカーダイジェストWeb編集部

「アジアチームにPKが与えられるべきだった」

ウルグアイの守備陣とマッチアップした中島。ウルグアイ代表14番のルーカス・トレイラ(右)とも度々対峙した。 (C) REUTERS/AFLO

 ブラジルで開催されているコパ・アメリカのグループリーグ第2戦、日本対ウルグアイ戦は2-2のドローで終わった。この試合で行なわれたふたつのVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)判定について、世界中のメディアが疑問を投げかけている。

 ひとつは日本代表DF植田直通とエディンソン・カバーニの接触プレー。これはVARによってPKと判定された。そして最も物議を醸しているのが、47分に中島翔哉がウルグアイのエリア内に侵入しようとしたプレーだ。

 左サイドでボールをキープした中島翔哉は、ふたりのDFに囲まれながらも、身体を反転させて突破を試みた。その際にジョバンニ・ゴンサレスの足がかかって中島は倒れた。だが、このシーンで主審はVARを使用せず、ファウルも認めないままプレーを続行した。

 この一連の流れに、コロンビア紙『EL TIEMPO』は「主審の信じられない決断。VARが試合の主役になってしまった」と自国出身の審判に対して疑問を呈した。

「ウルグアイ対日本の試合で、VARが主役になってしまった。アジアのチームは、この試合で最もペナルティ・キックに値するプレーを見せた。ウルグアイのゴンサレスはウルグアイのエリア内に侵入しようとしたショウヤ・ナカジマを明らかに横倒しにした。だが、日本がVARを求めたのにも関わらず、コロンビア人審判のアンドレス・ロジャスはそのプレーをファウルと見なさなかったどころかモニターを必要ともしなかった!」

 ほかにも、ペルー紙『Diario Correo』は「ナカジマに翻弄されたウルグアイ人のマーカー、ゴンサレスは明らかにファウルで彼を阻止した。少なくともこれはVARで判断すべきであり、PKを与えられるべきだったシーンだ」と主審を批判している。南米エルサルバドルのTV局「Deportes Canal 4」も「日本はVARの使用を主張したが認められなかった。なぜか?」と該当シーンを番組で取り上げて検証し、「理解に苦しむ」と結論づけている。

 そして、南米にとどまらず、スペイン・メディアも疑問の声を挙げた。

 スペイン人記者のコリン・ミラー氏は、自身のSNSに該当のシーン動画をアップ。「一体どうしてVARで日本にPKを与える決断にならなかった? リプレイ映像を見れば明確にファウルだろう」と疑問を投げかけた。

 スペイン紙『El País』は「これはコパ・アメリカでのVARによる最初のエラーか?」と報じ、「この大会におけるVARが主役であり続けることはいかがなものか。47分のプレーで日本の10番はファウルを主張したが、主審はVAR担当者と話しただけで訴えを却下した」と反応。スペイン紙『MARCA』は、「コパ・アメリカは今日までの10試合でVARが13回採用され、計33分間、試合が停止。望ましくない注目を集めている」と報じた。

 試合の展開を左右しかねないVARの運用については、未だ運用法が確立されているとは言い難い。今後予定されているコパ・アメリカのゲームにおいても、どのように運用されるかが注目を集めそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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