「日本を超えられず…」「美しき敗者」世界一を逃がしたU-20韓国代表に母国メディアの反応は──

2019年06月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

VARが味方して幸先良く先制したが…

決勝で敗れたものの、堂々の銀メダルに輝いたU-20韓国代表。この成功体験を引っ提げて、彼らは黄金世代となっていくのか。(C)REUTERS/AFLO

 現地時間6月15日、ポーランドで開催されていたU-20ワールドカップがフィナーレを迎えた。決勝で対峙したのは韓国とウクライナ。どちらが勝っても初の世界一に輝くという大注目の一戦は、ウクライナの3-1逆転勝ちに終わった。
 
 グループリーグ最終戦のアルゼンチン戦を皮切りに、ラウンド・オブ16の日本戦などノックアウトラウンドで劇的な勝利を重ねたU-20韓国代表。同国サッカー史における男子のFIFA公式大会最高位は、2002年日韓ワールドカップでの4位だったが、今回のU-20ワールドカップでファイナリストになった時点で、見事記録を更新する。アジア勢では1981年大会のカタールと、99年大会の日本が準優勝を飾っており、アジア初の頂点を狙うチームを後方支援すべく、韓国国内も空前の盛り上がりを見せていた。
 
 だが結果は、残念な逆転負け。開始早々にVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の恩恵を受けてイ・ガンインが先制PKを決めるも、その後は守勢に回る時間帯が続き、34分にリスタートから被弾して追いつかれると、53分にはクリアボールを拾われて逆転ゴールを決められる。終盤は怒涛のパワープレーに打って出たが、逆に89分、パスミスから電光石火のカウンターを食らって万事休す。試合運びが悔やまれる内容で、完敗を喫した。
 
 韓国全国紙『中央日報』は、以下のようにファイナルを報じている。
 
「VARが味方して幸先良く先制点を奪ったものの、その後が続かなかった。ウクライナの攻勢に晒されて逆転を許すと、疲れが顕著なチームは反撃を試みるも畳みかけられず、最後は逆襲からの3点目が決まり、夢は打ち砕かれた。初の世界一という偉業は達成できず、カタールと日本を超えることはできなかった」

 
 さらに、「とはいえ、彼らが韓国国民に大きな感動を与えてくれた事実に変わりはない。美しき敗者だ」と称え、大会MVPのゴールデン・ボール賞を受賞した主将でエースのイ・ガンインを絶賛。「もうひとつの金メダルを持ち帰ってくれた。ピッチ上で2得点・4アシストと気を吐いただけでなく、見事なキャプテンシーが光った」と持ち上げ、「決勝直後に選手たちは涙に暮れたが、イ・ガンインは仲間一人ひとりに声をかけて回る素晴らしい振る舞いを見せた」と、伝えている。
 
 ポーランドの快進撃で得た成功体験を、若き韓国の精鋭たちは来年の東京五輪、3年後のカタール・ワールドカップでいかに昇華させていくのか。日本のヤングタレントたちも、負けてはいられない。
 
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事