仙台が長沢の劇的弾で逆転勝利! 宮本ガンバは”ヤット外し”も奏功せず泥沼の5戦勝ちなし

2019年04月28日 サッカーダイジェストWeb編集部

積極采配が実り、途中出場の長沢が古巣に引導!

仙台は劇的勝利で連敗をストップ。G大阪は勝負所でフィニッシュ精度を欠いた。(C)J.LEAGUE PHOTOS

[J1リーグ第9節]仙台 2-1 G大阪/4月28日/ユアスタ

 ともにリーグ戦で下位に低迷する両チームは、フレッシュな布陣をテストするなどウイークデーのルヴァンカップを有効活用した。ベガルタ仙台が前節からひとりのスタメン変更にとどまったのに対して、ガンバ大阪は渡邉らの戦線離脱もあって5名をチェンジ。開幕からスタメンを張ってきた遠藤を外し、矢島を今季初先発に指名した。

 立ち上がりからペースを掴んだのは、ホームの大声援を受ける仙台。ルヴァンカップで手応えを得た4-4-2システムを採用し、守備ラインが低めの相手を素早いパスワークで押し込み、左サイドを起点に攻め立てた。24分に常田の豪快ミドルがGK東口のファインセーブに遭い、直後には飛び出した東口をかわしてジャーメイン良がガラ空きゴールに流し込んだが、これは惜しくも枠を外れる。

 しかし32分、均衡を破ったのは劣勢のG大阪だった。32分に左CKから矢島が放ったボールをGKシュミット・ダニエルが触れず、キム・ヨングォンが頭で合わせた。韓国代表CBの移籍後初ゴールで願ってもない先制点を挙げる。それでも中盤でのプレッシングがうまくハマらず、仙台の目まぐるしい左右の揺さぶりに対応できない。我慢の時間帯がひたすら続いた。

 スコアレスで折り返すと思われた前半アデイショナルタイム、仙台の積極果敢な姿勢が実を結ぶ。左サイドから永戸が中央へ切れ込み、ゴール前25メートルの位置から右足を振り抜くと、これが相手DF三浦の頭に当たってコースが変わり、そのままゴールに吸い込まれた。好守を見せていた東口も一歩も動けない永戸のプロ初ゴールで、同点に追いついたのだ。

 
 後半になって仙台がさらに勢いを増す。左サイドに流れるハモン・ロペスが攻撃に厚みをもたらし、チーム全体のシュートへの意識も高く、守ってはG大阪のクリアボールを的確に処理し、カウンターの芽を摘み続ける。だがビッグチャンスを掴めずにいると、徐々に攻め急ぎが顕著となり、躍動感が薄れていく。
 
 じっと耐え忍んでいたアウェーチームが盛り返したのはそこからだ。右サイドの小野瀬がタメを作って全体のラインを押し上げ、ようやく敵陣での細かなパスワークを見せる。59分にアデミウソンとの連携からファン・ウィジョが至近距離弾を狙うも決め切れず、68分にエリア内での鋭い崩しから倉田が抜け出して渾身ショットを放つも、これも枠を捉えられなかった。
 
 勝ち越し点を奪いたい仙台が関口、椎橋、長沢と3枚のカードを75分までに使い切ると、それに対してG大阪はアデミウソンに代えて遠藤を投入し、中盤の構成力を高める策に出る。双方の思惑が激しく交錯した。
 
 そして89分、ユアスタが熱狂のるつぼと化すのだ。石原崇の鋭いグラウンダーのパスに長沢が中央で応え、"古巣"に引導を渡した。仙台が鮮やかな逆転劇を完遂し、連敗を2で止めている。
 
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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