「君のことは忘れない」スターリングが白血病で亡くなったユース選手に捧げるハットトリック!

2019年03月23日 サッカーダイジェストWeb編集部

同じ月にクラブでも代表でもハットトリック

3月17日に亡くなったダマリー少年へ祈りを捧げるスターリング。その想いはきっと届いたはずだ。(C)Getty Images

 イングランド代表は3月22日(現地時間)、EURO2020予選(グループA)でチェコをホームに迎え、5-0と大勝した。ガレス・サウスゲイト監督率いるスリーライオンズ(イングランド代表の愛称)は、最高のスタートを切ったと言えるだろう。

 データサイト『Opta』や英公共放送『BBC』によると、イングランドはワールドカップやEUROの予選で2009年10月を最後に、40試合連続で無敗を維持している(31勝9分け)。また、ウェンブリーで5点差の大勝は、14年10月のサンマリノ戦以来、約4年半ぶりだ。

 この試合で70分に投入されたカラム・ハドソン=オドイは、18歳135日でイングランドの最年少デビュー記録を更新。先発出場を果たしたジェイドン・サンチョとともに、18歳以下の2選手が同時に公式戦でプレーしたのは、1881年2月以来、実に138年ぶりという。
 
 ただ、その俊英たちよりもスポットライトを浴びたのは、ハットトリックを達成したラヒーム・スターリングだろう。ウェンブリーでスリーライオンズの選手がハットトリックを記録したのは、10年9月のジャーメイン・デフォー以来となる。

 代表では直近のシュート7本でなんと5点を挙げているという。それまでは62本で2得点だったというから、決定力が飛躍的に向上したと言っても過言ではない。

 ちなみに、スターリングは3月9日のワトフォード戦でも3ゴールを叩き込んでおり、同じ月にクラブと代表でハットトリックを達成したイングランド選手は、99年のアラン・シアラー以来となる。

 とにかく絶好調のアタッカーは、このチェコ戦でゴールを決めた際、ユニホームの下に着込んでいた写真入りのTシャツを披露した。白血病のため13歳の若さで17日にこの世を去ったクリスタル・パレスのユース選手、ダマリー・ドーキンス君を追悼するためだ。

 スターリングは試合後、『ITV』で「ダマリーは僕が助けようとしていた少年なんだ。ドナーを見つけようとしていたんだけど、悲しいことに適合するものが見つからず、亡くなってしまったんだ」と明かしている。

「彼のご遺族が少しでも笑顔になれるように、何かをしなければいけないと思ったんだ」

 イングランド代表FWは自身のツイッターでも、「いろいろと特別な夜になった。ダマリー、安らかに。君は逝ってしまったけど、決して忘れない」と、メッセージを寄せた。

 この想いが、ダマリー君とその家族に届いたことを願うばかりだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 
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