「なぜ批判を気にするのか理解できない!」 監督になったスコールズ、選手とメディアの関係性に疑問を呈する

2019年02月14日 サッカーダイジェストWeb編集部

辛口批評家として人気を博したスコールズ

父親の影響で幼少期に憧れていたオールダムの指揮官となったスコールズ。現役時代にユナイテッドのレジェンドとなった男の手腕は,
大きな注目を集めている。 (C) Getty Images

 イングランド・サッカー界のレジェンドが、監督としてのキャリアをスタートさせた。

 現地時間2月11日、フットボールリーグ2(英4部)のオールダムは、新監督として元マンチェスター・ユナイテッドMFのポール・スコールズを招聘することを発表した。

 現在44歳のスコールズは、1996年にユナイテッドでトップチームでのキャリアをスタートさせて以来、"赤い悪魔"一筋でプレー。その天才的なパスセンスや卓越したシュート技術で、ファンを唸らせたレジェンドだ。

 2013年5月に現役を引退してからは、主に英衛星放送「Sky Sports」で解説者を務めていたが、この度、少年時代に「憧れていた」というオールダムで監督キャリアをスタートさせることとなった。

 今回の就任を受けてスコールズは、オールダムの公式サイトで次のように意気込んでいる。

「この6年間で、監督に就任するかもしれないタイミングが3、4度はあったが、完全な準備ができていなかった。オールダムには、アグレッシブになって、何よりもまず勝利することに集中してほしい。毎週勝てるわけではないことは分かっているが、勝利を期待して、すべての試合に臨むよ」

 引退後に務めていた解説業では、チームや選手、あるいは監督に対する歯に衣着せぬ発言が話題となることもあったスコールズ。それだけに就任会見では、記者から「批判は気にならないのか?」と質問が飛んだが、それに対しては次のように返している。

「私はとても批判的な男で、自分の考えを包み隠すようなことはしてこなかった。正直に言えば、多くの批評家たちは、オールダムでの私の指揮を見守ることはないだろう。負ければ、たくさんの批判が出てくると確信している。しかし、彼らは彼らの望むことを言えるんだ」

 SNSの隆盛により、今まで以上に選手や監督たちが、ファンやメディアの反応を知ることができるようになった現代。批判的な意見に対しては反論する者もいるが、スコールズは「気にするなんて理解できない」と語る。

「私は、なぜ選手や監督が批評家のコメントをいちいち気にするのか理解できない。そもそも気にしなければ、目にも入らないはずだからね。私が気にするのは、オーナーの声だけだよ」

 そんなスコールズ"監督"が率いるオールダムは、翌日に行なわれたリーグ2のヨービル戦で4-1と快勝。さっそく"初勝利"を手にしている。

 現在、リーグ2で11位のオールダムだが、昇格プレーオフ圏内の7位フォレスト・グリーンとの勝点差は6と、まだまだ巻き返しは可能だ。それだけに、スコールズの手腕は注目を集めそうだ。

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