「それでも日本の攻撃は脅威だった…」歓喜に沸くカタールの地元メディアが森保ジャパンの“凄み”を称える|アジア杯

2019年02月02日 サッカーダイジェストWeb編集部

帰化選手への告発については「遺憾な出来事」

歓喜に沸くカタール代表を横目に、堂安(中央)が悔しさを噛み締める。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 カタール代表にとっては、まさに悲願成就だ。現地時間2月1日にUAEのアブダビで行なわれたアジアカップ2019決勝で、過去4度優勝の日本代表を相手に3-1の快勝。晴れて初のアジア・チャンピオンに輝いた。

 熱狂的にその偉業を報じたのが、カタールの日刊新聞『Gulf News』だ。「我らのカタール代表が、アジアの巨星を打ち負かした。歴史的偉業を称えよう!」と書き出し、以下のようにレポートしている。

「フェリックス・サンチェス(監督)のチームは、2022年ワールドカップのホスト国に相応しい戦いぶりを見せた。あの日本の攻撃を1点に抑え、初めてアジアの頂点に到達したのだ。先制点は(アルモエズ・)アリの素晴らしいオーバーヘッドキックによってもたらされたが、(ハサン・)アル・ハイドスがオフサイドのポジションにいてVARの対象になりかねなかった。これをなんとか逃れると、2点目の(アブデルアジズ・)ハティムのミドルは文句なしの出来映え。ヨシダ(吉田麻也)のタックルは届かず、ゴンダ(権田修一)が触れることさえできない、圧巻の20メートル弾だった。

 
 とはいえ、後半は日本の猛攻に晒された。脅威に感じていたようだ。

「後半の日本は前半と打って変わり、パスワークがスムーズになった印象で、一段と攻勢を強めてきた。やはりその攻撃は脅威でしかなく、カタールの選手は必死に食い下がったが、綺麗な連携からミナミノ(南野拓実)にゴールを挙げられ、ついに大会初失点を喫してしまう。だが、ここで(カタールの)選手たちは防戦一方とならなかった。気力を振り絞ってカウンターを仕掛けた結果、コーナーを獲得し、VARによるヨシダのハンドからPKを得ることができたのだ。これをアフィフが冷静沈着に決めて、大勢が決した」

 同紙がやはりモノ申しておきたかったのが、国交を断絶している開催国UAEによる仕打ちだ。

 決勝戦を目前に控え、得点王アリとCBバサム・アル・ラウイの2選手にひとつの疑惑が持ち上がった。その経歴から正当な帰化ではない、代表資格はないと告発されたのだ。しかしこのUAE側の主張はAFCによって、キックオフ直前に却下された。同紙は「あらぬ嫌疑をかけられてチームにとっては寝耳に水の話で、彼らふたりが出場停止になる可能性さえあった。AFCの賢明かつ迅速なジャッジに感謝したい」と記し、「きわめて遺憾な出来事だった」と苦言を呈している。

 さらに同紙は「最高の夜を演出してくれたのは、スタジアムの支援者たちだった」とも記している。カタール人のUAEへの入国が極度に制限されるなか、国境を越えられたサポーターは数十人程度だったが、隣国で友好国のオマーン人サポーターが大挙して決勝の会場に駆け付け、カタール代表に声援を贈ったのだ。最後は「試合を通して大きな声で選手たちを応援してくれた。そしてタイムアップの瞬間も、感動的な雰囲気を創出してくれた。素晴らしい仲間たちだ」と綴り、謝意を伝えた。

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