「また強くなれる」長友佑都が辛勝のサウジ戦で得た今までにない感触|アジア杯

2019年01月22日 サッカーダイジェストWeb編集部

「メンタル的な余裕がある。そういうのは、特にユベントスとかは漂っている」

長友は「最終的な部分でしっかり身体を張って守れれば問題ない」と割り切り、身体を張って無失点勝利に貢献した。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 アジアカップの決勝トーナメント1回戦でサウジアラビア代表と対戦した日本代表は、冨安健洋の代表初ゴールを守り切り、辛くも1-0で勝利した。
 
 立ち上がりからサウジアラビアに押し込まれ、終わってみればポゼッション率は23.7%対76.3%。シュート数も相手に倍以上を打たれており、苦しい試合だったのは誰の目にも明らかだろう。
 
 しかし、実際にピッチに立った選手たちの感覚は違ったようだ。左サイドで粘り強く相手FWに対応した長友佑都は言う。
 
「今までなかったんじゃないですか。ここまで(ポゼッションを)握られるのは。ただ、僕らは試合のなかで握らせているという状況で、メンタル的に崩れることはなかった」
 
 我慢の展開は想定内で、「相手が中に人数をかけてポゼッションをしてくるなかで、試合前にも握られるのは仕方ないよと話していた。最終的な部分でしっかり身体を張って守れれば問題ない」と割り切りつつ、「FWに速い選手がいたので、そこのケアを心がけていた」という。

 確かに試合を振り返ってみると、ポゼッション率で圧倒された割に、決定機をしこたま作られたという感覚はない。しっかりと相手のストロングポイントを抑え、「狙い通り」のセットプレーで点が取れたのだから、日本にとっては、してやったりの勝利だったのだろう。

 なおかつ、一発勝負の緊張感のなかで、若手が「凄い良い経験」を積めた。「若い選手は、特にこういう試合を積み重ねて成長する。また強くなれると思います」と長友が言う通り、このサウジアラビア戦は、チーム力の底上げにもつながる価値あるものだったのだ。
 
「今はみんな経験があったり、海外で厳しい中でやっているので、メンタル的な余裕がある。握らしているんだぞと。そういうのは強いチーム、特にユベントスとかは漂っているんですよ。僕がインテルにいた時も、持たされているという感覚になりました。最後のところで締められてカウンター、セットプレーでやられたりだとか。強いチームは戦い方を変えられる。そこを日本もやれているのは成長だと思うんです」
 
 試合内容は褒められたものではないが、それでも結果に結びつけたチームのパフォーマンスに、長友は大きな手応えを得ている。もちろん、「攻撃の部分でもう少し、パスをつなげるところと精度を上げていかないと、強い相手になると難しくなる」と攻撃面での課題も踏まえての話だ。
 
 森保体制下でいまだ負けなし。劣勢のなかでも結果を出し続ける日本代表は、このままアジアの頂点まで突っ走るのかもしれない。

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