「パリSGとマンCはCLから追放すべき!」 ラ・リーガ会長がスキャンダルの渦中にある2クラブを非難

2018年11月22日 サッカーダイジェストWeb編集部

「驚きはない」とFFP違反の2クラブをバッサリ!

莫大な資金力を後ろ盾に、短期間で一気に欧州トップクラブとなったパリSGとシティ。その2クラブに、ラ・リーガのテバス会長(左)が噛みついた。 (C) Getty Images

 物議を醸している話題に対し、ラ・リーガのハビエル・テバス会長が鋭い意見を展開した。

 同会長が意見したのは、今、欧州サッカー界を震撼させている内部告発サイト『Football Leaks』が、今月2日に発表した調査報告だ。

 それによれば、UEFA(欧州サッカー連盟)が、リーグ・アンのパリ・サンジェルマンとプレミアリーグのマンチェスター・シティに対し、移籍金などの支出がサッカーによって得た収入を上回ることを禁じているファイナンシャル・フェアプレー(FFP)の"抜け道"を探す手助けをしていたというのだ。

 この報告書によると、メディアコンソーシアムの「ヨーロピアン・インベスティゲーティブ・コラボレーションズ(EIC)」に加盟する80人のジャーナリストが、8か月以上をかけて7000万枚以上の書類を分析した結果、UEFAがミシェル・プラティニ前会長とジャンニ・インファンティーノ前事務局長(現FIFA会長)の主導の下、「政治的な理由」によって両クラブのFFPの規定違反を認識しながら隠蔽を助けたという。

 パリSGとシティのオーナーは、予算として直近の7年間で両クラブ合計45億ユーロ(約5800億円)もの資金を投入。そのうちシティは27億ユーロ(約3480億円)、パリSGは総額10億7500万ユーロ(約1386億円)が、水増しされたスポンサー契約からのものだったと見られている。

 また両クラブは、FFP違反でUEFAから6000万ユーロ(約77億3600万円)の罰金を科されたものの、後に4000万ユーロ(約51億5700万円)の払い戻しが受けられると伝えられていたようだ。

 そんな疑惑の目を向けられた2クラブに「まったく驚きではない」と持論を展開したのが、テバス会長だ。ラ・リーガを取り仕切る56歳のスペイン人は、ゲストに招かれた講演会で、次のように続けた。

「私は2年前から言っていた。パリSGとシティが『イカサマ』をしていると。ここからUEFAが、実際に何をするかということが重要だろう。これは世界のサッカー、その試合の構造の不均衡を作り出すものである。きちんと罰するべきだ。

 私は彼らをチャンピオンズ・リーグ(CL)から1年間追放するべきだと思う。それが、『ルールを真剣に守らなければならない』というメッセージになるからだ。パリSGやシティを具体的に処罰しろという話ではないが、誰もが守ろうと思えるルールを施行すべきなのだ」

 一連の報道にパリSGは、「常にすべての規則を厳密に順守しており、メディアで伝えられた疑惑については、断固として否定する」とのコメントを発表しているが、果たして、この一大スキャンダルは、今後どのような進展を見せるのだろうか? サッカー界を揺るがす事柄だけに、目が離せない。
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