マドリー、格下プルゼニにホームで1点差辛勝。約1か月ぶりの勝利にも笑顔は見られず…

2018年10月24日 サッカーダイジェストWeb編集部

勝つには勝ったが…。

試合終了後、相手監督と握手をかわしたロペテギは、その場から逃げるように一目散にロッカールームへと姿を消した。(C)Getty Images

 現地時間10月23日に実施されたチャンピオンズ・リーグ第3節、レアル・マドリー対プルゼニの一戦は2‐1でホームのマドリーが勝利した。

 5試合連続で勝利から見放されていたホームのマドリーにとっては、待望の勝利だった。これでジュレン・ロペテギ監督は、少なくとも今週末まではマドリーの指揮官でいられるだろう。だが、浮上のきっかけとするにはあまりにも物足りない、不満の残るゲームでもあった。

 先制したのはカリム・ベンゼマだった。11分、この日は右サイドバックで起用されたルーカス・バスケスからのクロスを、エースは確実に頭でしとめてみせた。

 追加点が欲しいマドリーは、その後もチェコ王者を攻め立てる。31分にはベンゼマが角度のないところから相手ゴールに襲い掛かり、33分にはトニ・クロースのスルーパスにガレス・ベイルが鋭く反応。さらにその3分後には、相手GKのミスキックを拾ったイスコが至近距離からシュートを放った。

 もしこの3つの決定機で1点でも奪えていれば、マドリーはもっと楽に勝てていただろう。だが実際は、ベンゼマが強引に2点目を狙いにいったシュートは敵のブロックに阻まれ、ベイルが左足で流し込んだシュートはオフサイドの判定に取り消される。イスコは突然舞い込んだビッグチャンスに慌てたのか、らしくないシュートミスで得点機をフイにした。

 クリスチアーノ・ロナウドがいたら――。ファンの脳裏にこのフレーズがよぎるのはこういう場面だ。マドリーはこの日も、ゴールに近づきながらその枠に蹴り込むという最後の部分で躓き続けた。
 
 マドリーに待望の2点目が生まれたのは56分、イスコに代わって入ったフェデリコ・バルベルデの縦パスを、ベイルがヒールで流し、最後はマルセロ! この日もっとも気持ちの入ったプレーを見せていた左SBが、技ありのループで貴重なゴールをもたらした。

 同組のローマは、このプルゼニ相手にホームで5点を奪っている。それだけに、ここからのゴールラッシュを期待したマドリーファンは少なくなかったはずだ。

 だが、最終スコアは2-1。積極果敢に3点目を奪いにいった3連覇中の絶対王者は、78分、逆に中央部分を崩され、前半終了間際にも惜しいシュートを放っていたパトリック・フロソフスキにアウェーゴールを献上する形で、試合を終えた。

 直後にクラシコが控える難しいゲームだったのは間違いない。だが、これだけの実力差がある相手にも余裕を持った試合運びができないところに、いまのマドリーの苦悩がうかがい知れる。

 9月23日のエスパニョール戦以来、約1か月ぶりとなる公式戦勝利を飾ったマドリーだが、おそらく笑顔でサンティアゴ・ベルナベウを後にしたマドリディスタは多くなかっただろう。

 もはやなにかを変えなければいけないのは、だれの目にも明らか。そして、なにを変えるべきかも。フロントの英断が待たれる。
 
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