「まるでCLの準々決勝を見ているかのようだった」 母国のスペイン撃破にイングランド代表OBも興奮!

2018年10月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

元闘将は17年前の歴史的一戦を思い出す

クロアチア戦とは中盤の構成などを変えて臨み、スペインを敵地で撃破したイングランド。クラブレベルだけでなく、代表チームとしても黄金時代を迎えることができるか。 (C) Getty Images

 10月15日(現地時間)、UEFAネーションズ・リーグ(NL)のリーグA・グループ4で、イングランドは3-2でスペインを下した。
 
 セビージャで行なわれた一戦、イングランドは前半に怒涛のゴールラッシュを披露。16分にラッシュフォードのスペインDF陣を切り裂くラストパスでスターリングが抜け出して先制ゴールを挙げる。
 
 30分にはケインの、これも見事なスルーパスでラッシュフォードが抜け出して追加点。さらに38分、バークリーの縦パスをケインが折り返し、フリーのスターリングが押し込んでリードを3点に広げた。
 
 対するスペインは後半、58分に好調パコ・アルカセルがCKからニアでのヘディングシュートをファーサイドのゴールに流し込み、アディショナルタイムにはS・ラモスがダイビングヘッドを炸裂させたものの、あと一歩及ばず。9月のクロアチア戦(6-0)では前半で4点を奪ったスペインが、今度は前半の大量失点で敗北を喫した。
 
 イングランドが敵地でスペインを破るのは、リネカーの4得点によりマドリードで4-2の勝利を飾った1987年2月以来。この久々の白星は、スペインの無敗記録を27で止めることにもなった。
 
 3日前のクロアチア戦では決め手を欠いてスコアレスドローに終わったのとは打って変わり、得点力を見せて強敵を下したイングランドに対して、メディアや代表OBは高評価を下している。元リバプールの闘将で、現在はコメンテーターを務めるジェイミー・キャラガーもそのひとりだ。
 
「長年、国際試合を見てきたが、そのなかでも最も優れた試合のひとつだ。素晴らしい勝利。選手たちにとっては、彼らの国際キャリアにおいて、決して忘れられない試合となるだろう。ファンタスティックだ」(『EXPRESS』より)
 
 イングランドのプレーに感銘を受けたというキャラガーは、このようにスペイン戦を表現している。
 
「まるでチャンピオンズ・リーグ(CL)の準々決勝を見ているかのようだった」
 
 彼が母国代表を称賛するのに、クラブレベルの最高峰の舞台を引き合いに出したのは、代表チームへの国民の関心がクラブレベルに比べて高くないというイングランドの実情を表わしている。
 
 今夏、ロシア・ワールドカップでは4位入賞を果たして国民を喜ばせたイングランドだが、昨年の予選では、本大会出場を決めたウェンブリーでのスロベニア戦でも空席が目立ち、選手にため息をつかせたということもあった。
 
「イングランドの人々は、NLという新たな大会を嘲笑している。プレミアリーグの各クラブの監督ですら、それが何であるかも知らない」
 
 こう語るキャラガーだが、スペイン戦については「このような試合なら、みんなもっと代表戦を見たいと思うだろう」と絶賛している。
 
 代表キャップ数38を誇る元CBはまた、敵地での難敵撃破ということで、自身もピッチに立った(交代出場)伝説の一戦を回想している。
 
「私にとって、これに比肩する試合といえば唯一、ドイツに5-1で勝った試合ぐらいだろう」
 
 これは2001年9月1日に行なわれた日韓W杯予選の大一番で、会場はミュンヘン。試合はヤンカーのゴールでドイツが先制するも、イングランドはオーウェンのハットトリックの他、ジェラード、ヘスキーも得点して大勝を飾り、ウェンブリーでの敗北(0-1)の雪辱を果たしている。
 
 17年前の歴史的な一戦をレジェンドに思い起こさせる、これまた歴史的勝利をスペイン相手に挙げたイングランド。これでNLでの通算成績は1勝1分け1敗。最後の一戦は11月18日、ホームでクロアチア戦を迎え撃つ。
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