【Jリーグ】クラブライセンス審査を9月に控え、13年度のJクラブの経営状態はいかに?

2014年07月30日 石田英恒

13年度末で横浜が債務超過、名古屋が3期連続赤字だが…。

7月22日に開示されたJクラブの個別経営情報。数字の単位は百万円。 (C)SOCCER DIGEST

 9月に控えた来シーズンのクラブライセンス審査を前に、Jリーグが2013年度のJ1、J2全40クラブの経営情報を開示した。ライセンス交付の目途も含めて、各クラブの置かれた状況を見ていきたい。
 
※『週刊サッカーダイジェスト』8月12日号(7月29日発売)より。
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 Jリーグのクラブライセンス制度は12年に導入され、その審査項目のなかには、3期連続赤字、または債務超過となったクラブにJリーグのライセンスが交付されないという項目がある。具体的には、12年度、13年度、14年度の3期連続赤字、または14年度決算で債務超過となった場合、ライセンスが交付されず、Jリーグ参戦の資格を喪失。今年9月に来季のライセンスが審査される。
 
 資料によると、13年度赤字は、J1が4つ、J2が7つの11クラブ。このなかで、11年度から13年度までの3期連続赤字はJ1の名古屋、J2の栃木、群馬、神戸。12年度、13年度の2期連続赤字がJ2の福岡。13年末での債務超過は、J1の横浜、鳥栖、大分、J2の札幌、栃木、群馬、岐阜、神戸、福岡、北九州、熊本となっている。
 
 Jリーグの大河正明常務理事は、「J1クラブは、多くが手厚い純資産を持ち、単年度赤字での大きな赤字はそれほどなく、心配はしていない」と語る。例えば、J1で6億7700万円の大幅な債務超過になっている横浜は、親会社の日産自動車が広告宣伝費等で追加サポートし、13年度は10億円の純利益となった。
 「横浜は、昨年10億円の特別利益を広告宣伝費扱いで計上し、黒字になりました。債務超過の6億7700万円は、マンチェスター・Cの持ち株会社とのパートナーシップ提携などでの出資と、単年度黒字化を合わせて解消されるでしょう。債務超過解消もほぼ目途がついたと認識しています」(大河常務理事)

 他のJ1では、名古屋が3期連続赤字中で、14年が赤字だと12~14年の3期連続でアウトとなる。債務超過ではないが、13 年度は7800万円の赤字で、純資産(資本)も1400万円のみ。14年度に赤字を出さず、さらに債務超過に陥らないように経営改善が求められている。
 
「8月頭に名古屋を訪問しますが、今年はしっかり対策をお願いしたい。ややギリギリという印象です。しかし、直ちになにかが起きることはないと考えています」(大河常務理事)と、大きな懸念はしていないようだ。

次ページ4クラブが厳しい状況に。特に懸念される福岡の財務状況。

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