「技巧に満ちた一撃!」「及第点以下」ドイツ2部デビューの井手口陽介、独メディアの賛否は分かれる

2018年09月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

派手なガッツポーズで歓喜を爆発させた

なによりも求めていた結果を叩き出した井手口。ようやく新たな一歩を踏み出した(写真はクラブ公式ツイッターより)。

 完全復活が待望される日本代表MFが、新天地で確かな一歩を踏み出した。
 
 今夏、イングランド2部のリーズ・ユナイテッドからドイツ2部のグロイター・フュルトにローン移籍した井手口陽介が、ついに公式戦デビューを飾った。同リーグ第5節のホルシュタイン・キール戦に先発フル出場を果たし、チームの2点目を決めるなど4-1の快勝に貢献したのだ。
 
 4-2-3-1システムの左ボランチに配された井手口。60分の移籍後初ゴールは、いかにも"らしい"ロングランから生まれている。右サイドのファビアン・レーゼが送ったパスをデイビッド・アタンガがヒールで中央へ流すと、走り込んだ井手口がチョコンとつま先で合わせてゴールに蹴り込んだのだ。チームメイトから手荒い祝福を受け、自身も派手なガッツポーズで歓喜を爆発させてホームサポーターの声援に応えた。
 
 ドイツのサッカー専門誌『Kicker』は、「イデグチがデビュー戦で結果を残した」と好評価。「ゴールシーンはアタンガのパスも素晴らしかったが、日本人MFの技巧に満ちたショットで勝負あった。狙い澄ましたシュートで(敵GKの)ケネス・クローンホルムを見事に打ち破ったのだ」と論じている。さらにドイツ大衆紙『Bild』も「イデグチはダミール・ブリッチ(監督)の期待に応えたと言っていいだろう。スタジアムに歓喜をもたらした」と称えている。

 
 一方で、地元紙『Nord Bayern』はやや辛口のジャッジだ。デビュー戦でゴールを決めた事実は称賛に値するが、試合全体を通してのパフォーマンスには疑問符が付いたと記している。
 
「イデグチの先発起用は、言わば驚きだった。ブリッチ監督は日本人MFにチャンスを与えたわけだが、球際でのひ弱さが顕著で、とりわけ前半は存在をまるで示せなかった。かたや相棒のルーカス・グガニクは闘争心を前面に押し出し、ゲームに大きな影響を与えている。実に好対照で、イデグチはまだゲームを戦う強度が整っていないように感じられた。及第点以下と言わざるを得ない」
 
 とはいえ、全世界のゲームをリアルタイムで採点している『Who Scored.com』によれば、井手口は10点満点中の「7.4」。これはまずまずの数値であり、チームで5番目に高い。ちなみにグガニクは「6.7」にとどまっている。
 
 メディアの評価が分かれたドイツ・デビュー戦だが、チームはシーズン開幕以来3勝2分けの負けなしと好調で、井手口もようやくその上昇気流に乗れただろうか。首位を快走するグロイター・フュルトは次節(9月23日)にハイデンハイム戦を消化し、いよいよその後(同27日)はハンブルガーSVとの大一番を迎える。酒井高徳、伊藤達哉の日本人コンビとの対戦に注目だ。
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