「罰金なら払ってやる!」 フィオレンティーナ、亡き前主将のために規則に背いて自前の腕章使用を断行!

2018年09月06日 サッカーダイジェストWeb編集部

共通のキャプテンマーク使用義務化に批判は多いが…

アストーリへ捧げる特別なキャプテンマークをサポーターに向けて掲げたペセジャ。この問題はどのような結末を迎えるのか。 (C) Getty Images

 今シーズンのセリエAでは、開幕前から「キャプテンマーク」が問題となっている。
 
 リーグの運営組織「レガ・カルチョ」は今シーズンから、全チーム共通のキャプテンマークを巻くように決定した。だが、これに一部の選手たちが反発しているのだ。
 
 例えば、昨シーズンは全試合で異なる腕章を巻いていたアタランタのアレハンドロ・ゴメスは、SNSで「僕たち選手の重要性は、ますます下がっている」と、選手の意向を無視した決定に不満を表した。
 
 そのゴメスは開幕戦で、試合前にリーグ指定の腕章を用意していたが、実際には独自の腕章を使用。試合後、「リーグが用意したのは大きすぎたんだ」と釈明している。
 
 他にも、ローマのダニエレ・デ・ロッシなど、開幕から独自の腕章を使うキャプテンたちがいたことで、これまで見逃してきたリーグ側は先日、今後は処分を科すと明らかにした。
 
 だが、反発の声は収まらない。その代表が、フィオレンティーナのクリスティアーノ・ビラーギだ。
 
 フィオレンティーナのキャプテン、ヘルマン・ペセジャは、2日のセリエ第3節ウディネーゼ戦で勝利を収めると、自前の腕章を隠すどころか、サポーターに向けて掲げた。それは今年3月、滞在していたホテルで急死した前キャプテンのダビデ・アストーリに捧げたものだったからだ。
 
 突然の悲劇に心を痛め、半年が過ぎてもなお、アストーリのことを忘れていないフィオレンティーナとそのファンにとって、亡きキャプテンに捧げたこの腕章がいかに特別なものかは言うまでもない。
 
 イタリア紙『Gazzetta dello Sport』によると、ビラーギは「アストーリのためのキャプテンマークには、誰も触らせない。僕たちに罰金を科すというなら、それを払ってやる!」と、処分を受けてでも、この腕章を使い続ける考えを明かした。
 
 共通のキャプテンマーク使用を義務化するレガの決定には、批判も少なくない。とりわけ、フィオレンティーナの想いには、共感する声も多い。だが一方で、ルールとして決まったからには守るべき、との考え方があるのも事実だ。
 
 ビラーギの訴えは、運営組織の上層部に届くのだろうか。
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