ジェノバ崩落事故でセリエA開幕2試合が延期、サンプ会長は「重要な連帯の証」とリーグに感謝

2018年08月17日 サッカーダイジェストWeb編集部

「全試合を延期にすべきだった」との意見も。

ジェノバに本拠を置くサンプドリア(左)とジェノア(右)の試合は延期が決定した。(C)Getty Images

 イタリア・ジェノバで8月14日に発生し、多数の死傷者を出した高速道路の高架橋崩落事故は、セリエAにも大きな影響を及ぼしている。

 ジェノバを拠点とするジェノアとサンプドリアは、地元を襲った悲劇に心を痛めている。リーグは8月18日に開幕し、両クラブは19日に初戦に臨むことになっていたが、とてもサッカーどころではない。

 リーグに延期を申し出たサンプドリアのマッシモ・フェレーロ会長は、『RMC Sport』で「試合は取り戻せるが、死者は戻ってこない」と、サッカー界全体がストップすべきとの考えを示した。(イタリア紙『Repubblica』より)

「正直、こんな時に喜ぶことを考える勇気なんてない。今でもまだ、ガレキの下に行方不明者たちがいるんだ。選手たちをピッチに送り出すなど考えられない。スポーツは文化であり、生活だ。少し立ち止まり、考える必要がある」
 

 そして16日、レーガ・カルチョはミラン対ジェノア、サンプドリア対フィオレンティーナの2試合を延期すると発表した。代替日程は未定。ミラン、フィオレンティーナの両クラブの賛同も得たうえでの決定だという。

 むしろフィオレンティーナは公式声明で、「ジェノバで起きたような悲劇の前には、すべてのことが二の次だと考える」と、全試合を延期にすべきだったとの見解を示した。

「今はサッカー界も立ち止まり、考え、喪に服している多くのご遺族を静かにリスペクトするのが適切だろう。サッカーは情熱であり、娯楽だ。だが、この辛い瞬間は、だれもが立ち止まり、ジェノバと犠牲者たちに寄り添うべきである」

 一方、延期の決定を受け、ジェノアとサンプドリアはそれぞれ公式声明でレーガへの謝意を表明。フェレーロ会長は延期が「重要な連帯の証」だと述べ、「ジェノバとジェノバの人たちは決して忘れないだろう」と感謝したうえで、2試合以外を開催するのは正しい決定と続けた。

「リーグが前進し、ほかのピッチで開幕するのも正しいことだ。それによって、寄り添う気持ちや同胞愛が損なわれることはまったくない。立ち上がり、再出発できる国であるイタリアの魂に、そういった気持ちがあることを国全体が示してくれた。ジェノバもまた、もっと強く、もっと安全に、そしてもっと美しく、再出発できるはずだ」
 
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