コカイン陽性で2年間の出場停止! 元フィンランド代表MFに手を差し伸べたのは…

2018年08月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

CLの試合後に発覚した衝撃的な事件から

世界中から大バッシングを浴びたあの事件から2年。猛省の日々を経て、エレメンコ(中央)がトップステージに帰還する(写真はクラブ公式ツイッターより)。

 モスクワ生まれの元フィンランド代表MF、ロマン・エレメンコが新たなスタートを切った。
 
 大事件が発覚したのは2年前の11月18日だ。同年9月14日に行なわれたチャンピオンズ・リーグ、レバークーゼン戦後のドーピング検査で、当時CSKAモスクワに所属していたプレーメーカーから、なんとコカインの陽性反応が出た。UEFA(欧州サッカー連盟)は仮処分を下した10月6日から2年間の出場停止処分を言い渡したのである。
 
 まさに、キャリアの絶頂期で犯した愚行。ロシアでもフィンランドでも誹謗中傷の的となり、現役引退が現実的な選択肢と考えられていた。
 
 それでもエレメンコは更生プログラムに真摯に取り組み、家族の支えもあって心身ともにリカバリー。フィンランドで福祉活動に従事しながらハードな自主トレを課して、トップシーンに復帰する日を夢見てきたのだ。

 
 そして8月9日、ついに新たな活躍の場を得る。手を差し伸べたのはCSKAの最大のライバルであるスパルタク・モスクワだ。与えられた背番号は26。愛娘の誕生日にちなんで、エレメンコ自身が望んだという。選手本人はクラブ公式サイトでこう語っている。
 
「この背番号に込めた想いを胸に、僕を拾ってくれたスパルタクで全力を尽くしたい。ずっとフィンランドで友人たちと練習をしてきたから、状態はとても良いよ。話をもらった時からスパルタクの試合はずっとチェックしてきたから、イメージはできている。2年ぶりのリーグ制覇に是非とも貢献したい」
 
 すでにチームに合流しているエレメンコだが、出場停止が解けるのは10月6日で、あと2か月を要する。かつてウディネーゼ、ディナモ・キエフ、ルビン・カザン、そしてCSKAでキャリアを積んだ31歳の名手は、禊(みそぎ)の新シーズンでどんなパフォーマンスを披露するのか。
 
 ロシア・プレミアリーグは7月28日に開幕し、スパルタクはここまで2節を終えて1勝1分け。ピンチに立たされているのがチャンピンズ・リーグ予選で、PAOK(ギリシャ)との3回戦第1レグを2-3で落としている。火曜日にホームで開催される第2レグで、逆転突破を狙う。
 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事