「この最強世代が一番美しい」ベルギー、W杯史上最多タイ記録を作って有終の美

2018年07月15日 サッカーダイジェストWeb編集部

充実のW杯を過ごした精鋭軍団。

ベルギーにとって充実したW杯だったことは、この選手たちの笑顔が物語っている。いまの力を今後も維持できれば、しばらくは黄金時代を謳歌できそうだ。 (C) Getty Images

【7月14日 サンクトペテルブルク|3位決定戦 ベルギー 2-0 イングランド】

 フランスとの準決勝で涙に暮れた"赤い悪魔"は、美しくロシアを去る。

 開始早々の4分に得意の速攻からトマ・ムニエのゴールで先手を取ったベルギーは、その後も危なげない試合運びを見せた。相手の反攻を巧みにかわし、82分にエデン・アザールのダメ押しゴールで雌雄を決した。

 同国史上最高位である3位でW杯を締めくくったベルギー。今大会は、グループリーグを3戦全勝で突破するなど、アザールやロメル・ルカク、ケビン・デ・ブルイネといった"最強世代"の活躍が目立った。

 そんなベルギーは、W杯の歴史に名を刻む記録にも並んでいる。米スポーツ専門メディア『ESPN』は、イングランド戦の勝利で、一大会で史上最多タイとなる通算6勝をマークしたと報じた。

 華麗な逆転劇を演じた決勝トーナメント1回戦の日本戦を含め、グループリーグの戦いからしっかりと勝ち切る力を証明してきたベルギーは、1974年大会のポーランド、1990年大会のイタリア、2010年大会のオランダらに並び、史上4か国目となるW杯6勝を成し遂げたのだ。
 
 そんな代表戦士たちに地元メディアも賛辞を贈っている。ベルギー公共放送『RTBF』は、「イングランドを打ち負かした赤い悪魔が歴史的な世界3位となる」と銘打ったマッチサマリー内で、さらに次のように記した。

「我々のチームは、今大会で一番美しいチームだったと言っても過言ではない。この最終戦でもアザールのゴールに集約されたスピード感、鋭さは、まさに美しさを象徴するものだった。正直なところ、この試合に対するモチベーションは、慰安的な意味合いが大きかったが、それでもベルギーは歴史に名を刻んだのだ。

 この最強世代は、1986年に4位となったチームを越え、最高順位でW杯を締めくくった。だが、この3位へのステップアップが終わりではない。次のゴールはすでに決まっている。2020年のカタールW杯で頂に立ち、光り輝くことだ」

 アザールやデ・ブルイネ、そしてティボー・クルトワなどの名手が攻守で実力を存分に発揮し、史上最多タイ記録にも並んだことで、名実ともに充実したW杯を過ごしたベルギー。今まさに黄金期を謳歌する彼らは、はたして、4年後にロシアで取り逃した栄冠を掴めるのか。大いに注目したい。
 
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