【日本代表】盛大な出迎えに西野監督は複雑な想いも吐露「半分申し訳ない」と思ったワケは?

2018年07月05日 サッカーダイジェストWeb編集部

「十分な成果を上げられたわけでもないと思っている」

帰国会見に臨んだ西野監督は、空港に出迎えたファン・サポーターに感謝の意を示したが、一方で複雑な想いも吐露した。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 ロシア・ワールドカップを戦った日本代表が7月5日、ベースキャンプ地のロシア・カザンを出発して帰国の途に就き、成田空港に帰着した。帰国後、千葉県内のホテルで日本サッカー協会の田嶋幸三会長、日本代表の西野朗監督、長谷部誠主将が記者会見に臨んだ。

 空港には1000人以上のファン・サポーターが詰めかけた。出国時の見送りは100人を超えるほどだったが、ロシアでの戦いぶりは絶大な反響を呼んだ。
 
 西野監督は、このファン・サポーターの反応を受けての率直な感想を問われると、まずは成田での出迎えに常々感じ得るところを次のように語った。
「これはサッカーだけでなくて、個人スポーツもそうですが、国民にやはりそのスポーツ、競技の素晴らしさ、たくさんの人に感動や喜びを与えられた選手たちを迎えてくれる、そういう習慣は他のスポーツを見ても感じるところですし、スポーツとはそういう感動を与えられるもの。もちろん、我々も日本を出る時に、ワールドカップで強い気持ちでチャレンジをして成果を上げれば、ああいう歓迎を受けられるんだろうなという想いもありましたし、必ず期待に応えたいという、そういう想いでチャレンジをしてきました」
 
 今大会ではベスト16というノルマを達成し、ベルギーというFIFAランク3位の強豪を相手に、初の8強入りが手に届きかけた。しかし、西野監督は決してこの結果に満足はしておらず、盛大な出迎えにも複雑な想いを抱いているようだ。
 
「ただ、たくさんの方々に出迎えられましたけど、本当に我々は十分な成果を上げられたというわけでもないと思ってます。ワールドカップでの厳しい戦いをご存知の上で皆さん、こうやって迎えてくれたんだと思いますけど、本当に最大の、最高のチャレンジを出し尽くした選手たちの姿がおそらく、ロシアにあったと思うんです。結果だけではない、戦いぶり、そういうところが皆さんに伝えられたのかなと思います」
 
 さらに西野監督は「サッカー界では2050年までに(ワールドカップで)優勝するという目標を掲げているが、そういうなかでの1ページ、次につながるものを示せたと思う」と、未来への布石となる結果を掴めたと今大会を総括するとともに、「私自身は、素直に半分申し訳ないなと思いながらも、本当に今日の出迎えに対しては、ありがたく思いますし、心から感謝したいですし、次への本当に力になると思いたい。本当に嬉しい限りです」と、やはり結果に対する複雑な感情は持ちつつも、空港での出迎えに感謝の意を示した。
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