「日本は完璧な試合をした」と称賛のベルギー監督、ドンピシャ采配を語る【ロシアW杯】

2018年07月03日 サッカーダイジェストWeb編集部

2失点からの3ゴールはチームとしての力

2失点した際には天を仰ぐような姿も見られたマルティネス監督。しかし冷静に勝負所を見極めていた。(c)Getty Images

 日本対ベルギーは、ベルギーに軍配が挙がり、ベスト8進出を決めた。

 鮮やかに後半の20分間で一気に3点を取り返してみせたベルギーのロベルト・マルティネス監督は、日本代表チームに惜しみない称賛を送った。

「非常に難しい試合だった。我々の実力というか、状況に応じるための力を試されるような内容だったと思う」

 前半は0-0で終え、後半開始早々にベルギーがまさかの2失点。日本の鮮やかなカウンター攻撃による失点について、「日本の準備が素晴らしかった。守備のプランは完璧だったように思う。これに関しては日本を祝福すべきだと思う」と褒め称えた。

 しかし、先制点、2点目を奪われた状況で、65分にMFのマルアン・フェライニとMFナセル・シャドリを一気に投入。これで中盤の人数が増え、FWのロメル・ルカクを中心に組み立てやすくなり、ベルギーに攻撃のリズムが生まれた。
 流れを引き寄せることで、ベルギーが日本の陣地に深く入り込むチャンスも増えた。分厚い中盤を武器にゴールへの多重攻撃を仕掛けるなかでCKを獲得し、69分にヤン・ヴェルトンゲンのヘッドによるゴールを決めた。

 これを皮切りに、74分にはフェライニが同点ゴール。さらに、終了間際の90+4分には、鋭利なカウンターで、交代で入ったシャドリが決勝点を叩き込んだ。

 日本側からは"悲劇"としか呼べないようなゲーム展開を導いた采配について質問が及ぶと、マルティネス監督は、こう語った。

「フォーメーションも選手も、状況に応じて変化させていかなければならない。今回の交代はその一環だった。私の采配はごく一部で、あとは選手たちがうまくやってくれた。いかに対応できるかは重要なことだ。日本のパフォーマンスが良かったので、今回の試合は非常に難しく、我々のチームとしての力を試されたと思う」

 また、日本人記者から、ベルギーのようなベスト8に進めるチームになるためには何が必要かという質問に、こう返答した。

「日本代表だって、我々が過去に対戦した時に比べてより良く変化し続けている。今回は日本の準備もパフォーマンスも素晴らしかった。むしろその質問は、私が聞きたいことだよ(笑)」

 対戦相手を評価できる余裕をみせつつ、確実にベルギーが勝つ道を切り拓いたマルティネス監督。超攻撃的な布陣と確かな実力を武器に、次はブラジルとの対決に挑む。
 
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