「兄弟よ、もうあんたはメキシコ人だ!」総領事にテキーラ飲ませ、韓国大使館前で16強進出をお祝い

2018年06月29日 サッカーダイジェストWeb編集部

アエロメヒコ航空は韓国線を20%ディスカウント。

ハン・ビョンジン総領事を囲み、韓国大使館前でベスト16進出を祝うメキシコ・サポーター。(C)Getty Images

 王者ドイツがロシア・ワールドカップでまさかのグループリーグ敗退に終わったことに、世界は驚いている。一方で、歓喜に沸いたのが、スウェーデンに敗れながらも決勝トーナメント進出を果たしたメキシコだ。

 グループF初戦でドイツを撃破したメキシコは、続く韓国戦も制して連勝発進した。だが、6月27日の最終戦では、後半にPKやオウンゴールを含む3失点を喫して完敗。グループステージを突破できるかは、同時刻に行なわれ韓国対ドイツの結果次第となった。

 終盤までスコアレスだった一戦で、ドイツは韓国を攻め立てていた。1点でも奪って勝利すれば、ドイツは勝点でメキシコと並び、さらに得失点差で上回るため、ベスト16に進出できる。

 だが、結果は周知のとおり。韓国がアディショナルタイムに2ゴールを決めて金星をあげ、よもやの敗退に落胆する王者を尻目に、メキシコが決勝トーナメントに駒を進めた。
 
 0-3の完敗に落胆したファンも、突破できたことが嬉しいのは間違いない。『ESPN』によると、MFのミゲル・ラジュンは、「不思議な気分だよ。僕らは良いプレーをし、3連勝したいと思っていた。でも、最後はほろ苦い気分だ」と胸中を明かした。

「僕たちはグループリーグで良いプレーをしたと自覚しないと。僕らが決勝トーナメントに進んだのは、自分たちの功績によるものだってね」

 とはいえ、韓国の"助け"があったことは確か。英紙『Telegraph』によると、メキシコシティの韓国大使館の前には、大勢のファンが詰めかけ、韓国に感謝の意を伝えたという。

 メキシコのファンたちは、総領事にテキーラを飲ませ、「韓国の兄弟よ、もうあんたはメキシコ人だ!」といった内容のチャントを歌うなど、決勝トーナメント進出を派手にお祝いしたという。

 総領事は「メキシコと韓国の間に壁はない。我々は一緒に祝っている」とコメント。大使館のメキシコ人職員の中には、嬉しすぎて泣いていた者もいると明かした。

 また、アエロメヒコ航空はツイッターで、韓国行きの便を20%ディスカウントすると発表した。

 韓国の後押しを受けたメキシコは、今後も快進撃を続けられるのか。グループを2位で通過した彼らが決勝トーナメント1回戦で対戦するのは、優勝候補のひとつ、ブラジルだ。
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