劇的逆転勝利に歓喜のドイツの面々だが、殊勲のクロースは「負けたら多くの国民が喜んでいただろう」…【ロシアW杯】

2018年06月24日 サッカーダイジェストWeb編集部

「クロースのことを尊敬している」(ロイス)

先に失点した際には、レーブ監督の表情も固まったが、苦しみの末に極上の喜びが待っていた。それを演出したのが、反骨心を前面に押し出したクロースだった。 (C) Getty Images

【6月23日・ソチ|グループF ドイツ 2-1 スウェーデン】
 
 初戦でよもやの黒星スタートを喫し、早くもグループステージ敗退の危険を孕みながら臨んだスウェーデン戦でも先制点を献上……。ロイスのゴールで同点とするも、終盤に守備の要ボアテングが退場となるなど、常に嫌なムードが漂い続けたドイツだったが、最後の最後で歓喜の瞬間が待っていた。
 
 王者を窮地から救い上げたのは、前回大会で最も高い評価を受けたクロース。角度のない位置からのFKを、カーブをかけながら強烈に右サイドネットに突き刺した。
 
 劇的な展開に興奮がおさまらない選手やスタッフ。彼らの多くが喜びや安堵のコメントを発する一方で、殊勲の男からは少し趣の異なる言葉が飛び出した。(『Kicker』より)
 
――◇――◇――
 
◇トニ・クロース
苦しんだが、終わってみれば、我々は勝者に相応しかったと思う。最初の10分で得点を挙げなければいけなかったが、チャンスを逃してしまった。
 
 我々は初戦のメキシコ戦で多くの批判を浴びた。今日の試合、もし我々が負けて敗退を喫したら、喜ぶドイツ人が多かったような気がする。でも、そうはいくかと思ってプレーした。
 
 スウェーデンのゴールは自分のミスだ。そのことに責任は感じているが、最終的に挽回することができた。そうだろ? たとえ試合で400本パスを通したとしても、それは当然のことだと捉えられ、逆に数本ミスをすれば、その選手は批判されてしまう……。まあとにかく、自分がミスを犯したことは認めるよ。
 
 次の韓国で勝利を挙げるため、そしてパフォーマンスを高めるためにも、しっかり休息をとってリカバリーに努めたいと思う。
 
◇マルコ・ロイス
 純粋に嬉しいよ。最後の10分、我々は試合に勝つために、無我夢中でプレーした。
 
 クロースのゴールは信じられなかった。最後のプレーで勝利を決めるなんて、本当に素晴らしい! 彼のことをとても尊敬しているよ。
 
◇ヨアヒム・レーブ監督
 ひとり少ない状態で、最後の最後でゴールを奪って勝てるとは……。本当に嬉しい。後半の我々は、勝者に相応しかったと思う。
 
 選手は失点してもパニックに陥ることなく、冷静に対処した。ハーフタイム、彼らには苛立ちに負けないよう声をかけたが、プレッシャーのなかでも、速くパスを回しながら、相手を疲弊させてスペースを空けさせていった。選手には、とても感謝している。
 
 チャンスがありながら、なかなかゴールを奪えなかったが、最後まで望みを持ち続けた。クロースは失点に絡んでしまったものの、その後も良いプレーを見せ、土壇場でFKを決めてみせた。彼がミスを挽回したことも、とても喜ばしい。
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